出版社内容情報
雑誌『明星』によって自由奔放な愛と生を歌い、明治浪漫主義の大輪の花となった与謝野晶子の生涯と作品を解明。馬場あき子・田辺聖子らの作家論、上田敏、福永武彦らの作品論、吉屋信子らの回想を収録。
書下ろしエッセイ…尾崎左永子／晶子の歌が語りかけるもの…山本健吉／夫妻風景…吉屋信子／みだれ髪を読む…佐藤春夫／与謝野晶子讃…竹西寛子／他
内容説明
「やは肌のあつき血汐」の若き晶子の処女歌集『みだれ髪』、日本近代文学史上、この１冊の歌集ほど、一世を驚倒させた文学作品はない。人間本能の赤裸裸な肯定、はげしい情熱の奔流、閉ざされた女性の解放を願う熱情の生涯。
目次
与謝野晶子アルバム
書下ろしエッセイ（仏蘭西の野は火の色す―晶子の色彩感）
作家論（海鳴り―千すじの黒髪；晶子の歌が語りかけるもの；与謝野晶子と女の論理；このあふるるもの―『みだれ髪』を中心に ほか）
ひと（夫妻風景；与の如き晶子先生；与謝野晶子先生の巻頭詩 ほか）
みだれ髪を読む
作品論（『みだれ髪』を形成したもの；現代の『源氏物語』 ほか）
与謝野晶子文学紀行―堺・東京渋谷、千駄ヶ谷
母を語る（母晶子の想い出；桐の木のある家）
作家論（感情革命―与謝野鉄幹と晶子；華ひらく合理主義―与謝野晶子 ほか）
女性の立場から（大逆事件をめぐる与謝野鉄幹・晶子の立場；与謝野晶子における政治思想）
恋と歌に生きた女性たち―一葉と晶子
死を悼む（与謝野晶子女史を哀悼す；早期の与謝野夫人 ほか）
与謝野晶子の作品
代表作ガイド
与謝野晶子研究史展望
与謝野晶子年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
30
与謝野晶子、短歌 p5. ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君も雛罌粟われも雛罌粟。尾崎左永子、田辺聖子、ドナルドキーン、吉屋信子、森茉莉、小堀杏奴、山川菊栄、平塚らいてう、森藤子、宮本百合子、島本久恵、香内信子、和田芳恵、円地文子、馬場あき子2019/08/01
モリータ
7
◆1992年刊。小学館刊のシリーズ全23巻の一。シリーズ共通の構成方針などは書かれていないが、本書の特徴としては以下の記事を収録した手堅いムック本と言えよう；写真／作品（『みだれ髪』）、自筆原稿、改作の比較／作家・研究者による作家・作品論（抄録多し）／家族・作家による回想・哀悼記事／代表作ガイド・年譜（巻末）◆代表的な事績・作品、近現代の論には（原文でなくとも）繰り返し言及があり、記憶には定着する（佐藤春夫『晶子曼陀羅』など）。どうせなら佐佐木信綱や大町桂月の酷評記事などは原文を入れてほしかった。2023/02/22
BebeCherie
2
It was interesting to notice most reviewers were featuring only on ”みだれ髪”, even though it contains her early works and she made more poems later and did a lot of meaningful work for Japanese literature.2014/07/11
