小学館文庫<br> らんぷの下

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小学館文庫
らんぷの下

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  • サイズ 文庫判/ページ数 359p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784091924612
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

出版社内容情報

▼第1話らんぷの下/▼第2話/だんぶりの家▼第3話/女傑往来▼第4話/すがの幸福▼第5話/ドライフラワー▼第6話/裸のお百▼第7話/寒雷▼第8話/女傑走る
●登場人物/青木繁(明治時代、日本西洋画の黎明期に実在した西洋画家)、柘植(青木繁と美術学校で同期だった若き西洋画家)、すなほ(柘植の恋人で、青木繁の元恋人)〈以上、第1話〉、私(結婚生活が上手くいかず、現実とのギャップに苦しみながらも、女としての自立を目指す女性)、かんな(私の姪で将来を期待される優等生)〈以上、第2話〉。
●あらすじ/明治42年、日本の西洋画の黎明期。天才画家、青木繁は世間に打って出ようとしていた。一方、その彼に闘志を燃やす若き西洋画家の柘植は、青木の才能を超えたい一心で、激しく自らを駆り立てながら絵を描き続ける日々を送っていた。だが、青木に対して異常なまでのコンプレックスを持つ彼は、献身的に尽くしてくれる恋人すなほのことを、愛しながらも信じられない。というのも、彼女が青木の元恋人だったからだ。そんなある日、柘植はすなほが今も青木の絵を隠し持っていることを知る……(第1話)。▼一人の人間としての自立を目指し、「看護婦人」となった“私”だったが、しかし、職場結婚後、わずか3年でぼろぼろに疲れ果てて、父親の生家へ静養のため戻る。その家で共に暮らすことになった姪のかんなは、成績も良く女学校への進学が期待されていた。かんな自身も秘かに医者になることを夢見ていた。“私”は、彼女を応援したいと考えていたが、その家族は女の医者など必要ないと猛反対しており……(第2話)。

一ノ関 圭[イチノセキ ケイ]
著・文・その他

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

リボー

28
画風は少し古いかなと感じてしまいましたが、慣れるとその絵のうまさに引きずり込まれてしまいます。易々とこんな言葉を使いたくないのですが、画力に関しては「天才」に値する方だと思いました。人物の皺まで精密に書き込まれていてプロの仕事だと思わず脱帽いたしました。寡作なのが本当に惜しまれます。2012/09/17

たまきら

25
女だから感じられる喜びと悔しさ。これは女性でないと描けないと思う。構成、絵の構図、画力。すごい絵師です。2016/07/11

紫羊

22
漫画なのだけれど、優れた短編小説を読んだような後味です。これも傑作。2016/11/16

たまきら

21
寡作、という言葉では済まないぐらいなんだけど、やっぱこの漫画家、パねえっす。2017/11/10

三平

21
男の知らない女の隠された業を描いたものが多い短編集。『茶箱広重』よりこっちが好み。質が高く、コマの外に行間を感じられる。良質の文学作品を読んだような感覚が味わえる傑作。2016/03/30

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