出版社内容情報
川の流れに押し流される小舟のように、「運命」というに波に翻弄される人生。そこには、人と人とが出会うがゆえの、愛や憎しみ、喜びや悲しみがある。そんな人間模様を痛切に描き出した人間ドラマの傑作版。
●あらすじ/正一の家は母子家庭。母親がひとりで切り盛りする自宅の喫茶店には、売れない漫画家の吉岡と八百屋の若旦那がいつもたむろしている。母は日頃、そんなふたりを「人生に失敗した大人」と呼んでいた。だがある日、母親が正一を置いて家を出ていく。学校に警察がやってきて、母は、会社の金を横領した男と一緒だと告げられる。その日、誰もいないはずの喫茶店に帰った正一を、カウンタ?の中から吉岡が迎える。そしてこの日を境に、吉岡と正一との共同生活が始まった(第2話)。▼私立探偵の松本に、代議士から仕事の依頼が入った。最近、娘の様子がおかしいので身辺を調べてほしいという。10日間、娘を尾行した松本は、特に何もなしと代議士に報告するのだったが、9月20日頃、娘がひどくおびえた様子だったという母親の供述が気にかかり、再調査をはじめる(第5話)。▼母親が死んだ。だが、母の死を本当に悼む子供は、兄弟4人の中でひとりとしていない。何故なら母は、おせっかいやきのお調子者で、他人の言いなりに金を貸してしまうため、兄弟が全員働き出しても、いつも家には金がない状態だったからだ。そして月日が経ち、ある日末弟の純に、母の気持ちが痛いほどわかる日が訪れる(
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaikoma
2
自分が本当に良く行っていた場所だというのも有りますが、前後編に分かれた作品が圧巻でした。今でこそ大都会ですが、多分当時は歩くのに少し緊張するような雰囲気だった筈です。仕事で行く事は暫くか最早か無いので、一度プライベートで行こうかと思います。2023/02/27
くたびれ役人
1
40年位前に描かれた作品なのだろうか。現在の状況と比べてズレを感じる話が多かったが、私は古い世代に生きていたためこの時代の価値観もよく理解できた。2021/09/18
満月-ya
1
★★★☆☆2013/10/15
小太郎
0
読了 2014/05/31