内容説明
坂口安吾の生涯にとって魂の事件と呼べるような出来事に焦点を当て、安吾伝説の虚実を解き明かしていく初めての本格的評伝。未公開資料・新証言など、あらゆる情報を総合し検証。安吾のナマの心の動きが見えてくる。安吾と太宰・織田作・英光ら無頼派の面々が意気投合した場面の虚実、安吾が実は推敲に推敲を重ねるタイプの作家だったことなど、これまでの安吾像を一新する、最新版全集編集者で気鋭の文芸評論家による執念の結実。
目次
1 衝撃のデビュー(処女作に表れた三つの核;風博士の生まれた場所 ほか)
2 世に出るまで(新潟坂口家盛衰の真実;幼稚園時代の彷徨伝説 ほか)
3 淪落の青春(原「竹薮の家」推理;ドッペルゲンガーのモチーフ ほか)
4 戦中戦後を貫くもの(知られざる長篇「古都」の構想と挫折;「閑山」「紫大納言」の原話探索 ほか)
5 大いなる怒り(太宰の死が呼び込んだ鬱病とドラッグ禍;三千代夫人の手帳から知られる入院前後の経緯 ほか)
著者等紹介
七北数人[ナナキタカズト]
1961年9月23日、名古屋市生まれ。大阪大学文学部卒。出版社勤務をへて、90年頃から文芸評論活動を始める
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