出版社内容情報
28歳の倫子は結婚を意識し始めていた。卵子老化の話題も気になっている。兄が結婚し、会社の同僚の花蓮が結婚するなか、結婚に結びつかない関係しかなかった倫子はついに具体的に動くことを決意する。
内容説明
誰もが陥りがちな「誤った結婚観」―。不安とためらい、揺れる心情を、冴えわたる筆致で描いた傑作長編小説。
著者等紹介
橋本治[ハシモトオサム]
1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。1977年「桃尻娘」(小説現代新人賞佳作)で作家デビュー。1996年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、2005年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、2008年『双調平家物語』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
124
友人お勧めの作家さん、初読み。面白い、面白いんですよ、会話のテンポが実に心地よい。橋本さんは男性なのに、結婚に焦りを感じる女性の心情を実によく描いてらっしゃる。私自身、倫子の年齢のときにはまさにこんな感じだったし。ラストがなぁ、残念!突拍子なさ過ぎ。ドラマの脚本を読んでるような感じでした⭐️2015/06/25
まる
52
名前は聞いたことがあったものの、この作家さんの本は初読(の筈)。小説でありながら結婚観、人生観についての考察にかなりのページが割かれています。そのため、物語としての動きはほぼないんじゃないかな。結婚って何なんだろうと考えてしまいました。最後の方にも少ありましたが、結婚って何なんだろうなんて考えないことが結婚するための道なのかもしれません。ただ、私自身は26歳でリミットを意識し焦りを感じていたので、28歳になって初めてそれに気付くのってちょっと遅いのかもしれないな、と。2016/04/13
emi
39
衝撃のラストのせいか、一気にこの作品が散らかった印象で終わってしまった…。最初の卵子老化の話から随分離れてしまったし。28歳のOLの視点から見る結婚を描けていると思うし、所々なるほどなぁと思える箇所もあるんだけど、なんていうか…勉強の得意な人が結婚について調べて書いたレポートを読んでるような気持ちに…。結婚は人生を考えることっていうのはわかる。あえてしなくても生きていける時代の結婚ていうのもわかる。でもこの作品は、結婚したい人の気持ちに添ってはないかな。物語というより、フィクションをまぜたルポという印象。2015/02/24
カピバラ
38
なんだか切実な物語。結婚というタイトルから、幸せになる女性の話かな?と予想していたが、卵子の劣化の話から始まり、煮え切らない関係の恋人や、兄嫁と母親との関係やら、なんだかしょっぱかった。ラストの自信はなんなんだろう。これが女ってやつか。あと、婚活サイトの登録料があんなに高いとは…。2014/12/26
いくら
38
橋本治さんのまた独自の文章から紡ぎ出される現代結婚観。結婚がなぜこんなにも難しいものになってしまったんだろうというショックを与えられる。女性にとっても早く結婚するというメリットが見つけにくくなった昨今、卵子老化は衝撃的だが、精子も若いほうが優秀な子どもが生まれるって聞いたことがあるし、女性ばかりに責任を負わせないでほしいな。2014/07/21