内容説明
おおかたの推理小説の終わるところ、刑事や探偵による解決、あるいは犯人がまんまと犯罪をやりおおせた時、ふとした疑問が頭をもたげ、ついわれ知らず口走らないか。はてな?そんな読者の意識にピタリと寄りそうようにして幽霊があらわれる。頭髪もネクタイも洋服もみんなグレイ、全身がグレイ一色でつつまれた紳士、幽霊紳士が事件を解く異色ミステリー全12話。
目次
女社長が心中した
老優が自殺した
女子学生が賭をした
不貞の妻が去った
毒薬は二個残った
カナリヤが犯人を捕えた
黒い白鳥が殺された
愛人は生きていた
人妻は薔薇を怖れた
乞食の義足が狙われた
詩人は恋をすてた
猫の爪はとがっていた
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
23
☆4 柴田錬三郎お初。時代小説の人というイメージがとても強かったのだけどこんなミステリーも書いてたのね。加害者あるいは被害者などの詰めの甘さや慢心をどこからともなく出現した全身灰色の紳士が滔々と述べ立てるスタイルが新鮮でした。しかし読点多いな。2021/08/02
ポイント2倍
2
幽霊紳士が出てきて真実を告げるのがおもしろかった。いちいち「そうだったのか」とうならされました。2016/02/10
8番らーめんR
2
事件が解決した・・と思ったら幽霊紳士が現れて真相を語ると言うお話が12話。どんな事件には裏があるもんです。先の事件の登場人物が次の事件にも関わると言う趣向が楽しい。しくじったな・・・2009/10/02
権三郎
1
本棚の奥から出てきました。昭和34年初出だけあって時代を感じますが、著者のエンタメ魂はひしひしと伝わってきます。三浦潤三、吉行周作、大江慎太郎。潤三氏がわかりませんでした。2018/03/23
読酌人
1
春陽文庫版にて読了。面白かった!一気読みでした。2016/11/24