内容説明
「あ」から「ん」まで、サラリーマンの身の回りに、当たり前に起こるできごとや、ことがらを、サラリーマン経験のある著者のセンスで解説した、いわばサラリーマンのための基礎知識的エッセイ。
目次
愛
阿諛追従
慰留
陰謀
鬱
蘊蓄
営業
エコロジー
オフ
オフィス・ラブ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nao1
24
エッセイとか、ショートショートとか。90年代前半サラリーマンの悲哀。ギャグ交じりではあるがただの悪ふざけになってない。かなりきわどいことを書いても下品にもなってない。語彙もものすごく豊富。なかなかこういうものが書けるものではないと思う。ときどき躁なのか、観念放逸気味のキレの良いオチがついたりするのが面白い。コンピューターに仕事を奪われる予言は本書のあちこちに散見される。こんなに便利になったのにどうして楽園にならなかったのだろう。四半世紀たって、らもさんも亡くなってこの本を読むと、笑えるのにどこか悲しい。2015/09/26
おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)
14
不味いものを飲み込み続けるか空腹に耐えるか 苦しみは呼吸のように2021/02/26
lily
12
12年間経験したサラリーマン生活(!)を事典風にアレンジしたエッセイ。1トピック3ページでショートショートもあり肩の力を抜いて読める一冊。らも節は流石の一言。「重要なのは、仕事を選ぶときにサイクルの長短はあるにせよ、カタルシスを得ることが可能な仕事かどうかを見極めることである」「人間というのは、例えばコピーを取ったり帳簿を付けたり、女の子のお尻を目で追ってニヤついたり、そういうつまらないことに忙殺されているからこそ、その合い間合い間にクリエイティブな想像力が働く。そういうものなのです」2023/03/31
猫丸
12
らも氏が営業マン時代の経験を活かして書いたニッポンビジネスマン関連話。全体としてはエッセイなんだけど、まれにショートショート作品が混じる。「馬脚を現す」は中島らも傑作集に入れたい。表記について。何度か「アタッシェケース」が出てくる。一般に誤用とされる「アタッシュケース」を避けたところにこだわりが感じられる。僕なら単に「かばん」と書くけどね。らもさん、こういうところがあるな。2022/12/06
マッキー
8
エッセイみたいでギャグ要素もあって面白かった。本人の実体験がもとになっているにしても、非日常すぎる。2015/04/07