出版社内容情報
宮廷中の貴婦人たちの憧れの的、オスカルの初めての恋、王妃の恋人フェルゼンへの想いは叶うことがなかった。彼女の悲しみをそっと見守る、オスカルの乳母の孫、アンドレ・グランディエ。二人は幼い時から兄弟以上に魂を寄せ合い、青春のすべてを分かち合って生きてきた。そして何時しかアンドレはオスカルを深く愛していた。その頃、貴族の屋敷を襲う“黒い騎士”と名乗る盗賊を捕えたオスカルは、その男から民衆の不満の高まりを思い知らされる。不穏な社会情勢は次第に緊迫してきていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
98
「オスカルの苦しみ」黒い騎士の正体は、ベルナール・シャトレ、パリの新聞記者であった。オルレアン公の屋敷パレ・ロワイヤルに若い平民が集まり、議論することでオスカルも民衆の王室への怒りを肌で感じる。アンドレは左の目を負傷し、徐々に視力を失う中でオスカルへの想いを強くする。ベルナールはロザリーと恋に落ち共にパリへ行く。フェルゼンへの思慕を断ち切るため、オスカルはフランス衛兵隊へ志願するが「燃えあがる革命の火」女性の騎士としての葛藤、国の財政破綻による平民の貧困、貴族という立場など、様々な矛盾を抱えて悶え苦しむ。2022/11/05
mocha
72
絵の華麗さが凄みさえ感じさせ、作品的には絶好調の時期だと思う。アントワネット妃がお蝶夫人とかぶったり、幼い王太子に竹宮惠子さん萩尾望都さんの画風が見えたりで「あの頃」がますます甦る。それにつけてもアンドレの献身!ずっと心に残っていた「あなたはバラの花びらを食べるのですか」というセリフはジェローデルのものだったのか。世の中はどんどんきな臭くなり悲劇へと突き進んでいく。次巻はハンカチ握りしめて読もう。2020/06/20
しゅわ
40
男装の麗人・オスカルと、フランス王妃・マリー・アントワネット、そしてスウェーデンの貴公子・フェルゼンを中心に、歴史と運命に翻弄されながらもフランス革命期を力強く生きた人々を描いた…言わずと知れた少女漫画界の金字塔です。40年ぶりの新刊!を読む前に ひさびさに一気読み。黒騎士の正体…あれ?そんな人出てきたっけ!?と いまさらながら前の方を再確認した私。昔は何度も読んでたのに、記憶が消えてるなぁ。この事件を通じ、庶民の暮らしを垣間見たオスカルの意識にも変化が。大人になって読むと、このへんの葛藤 深いです2015/01/10
maxa
30
この本を手に取るとは自分でもびっくり。先日吉川さんの『マリー・アントワネットの日記』を読んだせいか、いつもは素通りしていたこの本に目に留まったのである。まず3巻まとめて読んでみた。私の苦手な史実を基にしてはいる話ではあるけれど、トワネットちゃんのおかげで内容がスラスラ入ってくるし、アンドレが加わるだけで面白さと切なさが倍増。なんとなくは内容を知っていたけれどこういう話だったとは。最近のキレイな漫画より絵の雑さは目立つけれど、それでも史実を基にした内容には感服。吉川さんが参考文献にしていたのにも納得。次! 2021/04/22
もも
29
レンタル。3巻はマリー・アントワネットの登場が少なくてびっくり。オスカルやアンドレが…見ていてとても辛い…。色々な人物の想いが描かれているので、みんな幸せになってほしくなってしまう…。ジェローデルが思ったより良い人で安心しました。今回も面白くて、一気読みです♪解説のネタバレは…文庫版だから仕方ないのかもしれないけど、ちょっとショックです…(・・;)2018/05/13