集英社文庫<br> メイン・ディッシュ

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集英社文庫
メイン・ディッシュ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 341p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087474244
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

小劇団「紅神楽」を主宰する女優・紅林ユリエの恋人で同居人のミケさんは料理の達人にして名探偵。どんなに難しい事件でも、とびきりの料理を作りながら、見事に解決してくれる。でも、そんなミケさん自身にも、誰にも明かせない秘密が…。ユーモラスで、ちょっとビターなミステリ連作集。文庫化に際して、新たに特別短編を加筆。さらに美味しくなった、スペシャル・メニューを召し上がれ。

著者等紹介

北森鴻[キタモリコウ]
61年山口県生まれ。駒沢大学卒。95年「狂乱廿四孝」で第6回鮎川哲也賞、99年「花の下にて春死なむ」で第52回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

160
北森鴻氏お得意の連作ミステリー。北森氏お得意といえば作中の料理の表現。なんとおいしそうなことよ。あぁ、食べてみたい。もうしばらくは北森氏の世界に浸りたい。次は『螢坂』を読むこととしましょう。余談であるが、冬の夜、家の外で見知らぬ男を拾って同居することになる、そしてその同居人は料理が得意であったという設定は有川浩氏の『植物図鑑』と同じではないか。有川氏が本書を読んでインスパイアされたという可能性があるような、無いような・・・2015/04/17

ちょろこ

125
味わうのに忙しい、一冊。お料理×ミステリはやっぱり面白い。舌では料理を、頭では謎解きを味わう。何とも忙しい、そして至福の時間だった。各ストーリーは順にコース料理が運ばれてくる感覚。しかも読み進めるごとに謎が拡がる、メインに向けて豪華さが増し、ミケさんの謎、存在等奥深い味わいも増してくる感じがたまらない。ユリエさんが自分だけのメイン・ディッシュを心に浮かべたシーンがとても好き。思わず頬が緩んだ。そして文庫だけに収録された「特別料理」の粋な計らいも良かったな。クリスマスの特別デザートをいただいた気分だ。2019/12/24

セウテス

90
ビターのきいた、ちょっと玄人なミステリー。1話は劇団紅神楽の看板女優ユリエと、料理の達人で同居人の通称ミケさんの、料理に絡んだミステリー。2話は別の人物の視点で語られる、別の登場人物たちの料理に絡んだミステリー。3話は再びユリエとミケさんの、という様なプロセスを踏んでいく。これは2つの話が最後に絡み合うのかと思って読んでいくと、そんな単純なものではない。正に料理人が創るオリジナルの一皿。高級店ではないが、老舗洋食店の様な身近さと職人技を感じます。別々の料理なのに、食べ終わると感じる一体感そんな名店です。2016/07/21

ううち

87
しっかりと入り組んだ構成で、何度が行きつ戻りつ読みました。ミケさんのお料理がとても美味しそうです。作ってみたい、でなく、作ってもらいたい。ミケさんがいなくなっても捜索せず、変化を受け入れ、きちんと自立して『戻りたい』と思われるねこさんの生き方は素敵だし見習いたい。文庫で追加されたという『特別料理』のオチにニヤリ。繰り返し読みたい作品。2016/03/25

KAZOO

66
北森さん独特の料理と登場人物の入れ替わり(異名同人など)による連作短編集。全体を通してみるとひとつの長編小説のような仕上がりになっていて、やはり非常にうまいと感じます。文庫版には単行本ではなかった作品が収められています。この表題のように何がメインディッシュなのかとあとで考えさせられます。この作者と連城三紀彦は何度も読み者エスのですがストーリーテリング(読まさせてくれる)の才能は北森さんの方が上ですね。文章のうまさと抒情性では連城さんの方がいいと思いますが。2023/09/13

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