内容説明
王家の名を冠した世界で唯一の国サウジアラビア。イスラームの聖地があり、豊富な原油埋蔵量を持ち、ビン・ラディンの祖国であり、テロリストを多数輩出し、それでいてアメリアの同盟国でもある国とは、果たしてどんな国なのだろうか。サウジアラビアを理解するためには、この国を支配しているワッハーブ主義に目を向けなければならない。イスラームでも特に厳格なこの宗派のイデオロギーが、サウジアラビアの独自性を生み出している。アラブ世界に精通する専門家が、建国の歴史や現代サウジ社会の現実、アメリカなど西欧世界との関係、テロリズムとの関わりについて、明らかにする。
目次
第1章 “テロリスト”と“英雄”(イスラームのチェ・ゲバラ;ビン・ラディン計画の亀裂 ほか)
第2章 経典と剣の王国(一七四四年の建国協約;統一の偉業 ほか)
第3章 ワッハーブ主義―戦闘的イスラーム(長老アブデルアジズ・ビン・バーズによる世界;キリスト教徒とユダヤ教徒を憎む義務 ほか)
第4章 サウジアラビアとアメリカの決別(ウラマーが固執する署名する;サウジアラビア高官の困惑げな弁護 ほか)
著者等紹介
バスブース,アントワーヌ[バスブース,アントワーヌ][Basbous,Antoine]
政治学者。レバノンの大学で法学修士、パリ第二大学で政治学国家博士号を取得。レバノンでジャーナリスト、パリで海外特派員として活躍した後、1992年、パリにアラブ諸国に関するコンサルタントオフィスOPA(Observatoire des Pays Arabes)を開設、所長を務める。北アフリカ、中近東、湾岸諸国の専門家としてEUや仏企業に対するコンサルティングを行う
山本知子[ヤマモトトモコ]
仏語翻訳家。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。東京大学新聞研究所研究課程修了
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