内容説明
ホメロス、ヘシオドス、アイスキュロスやソポクレス、エウリピデスなど、ギリシア神話の主役は男たちである。かのボーボワールも『第二の性』のなかで「英雄たちの運命のなかで女はただ第二義的な役割しか演じておらぬ」と嘆いている。しかし物語には表もあれば裏もある。裏からながめると、魅力ある悪女たちが…。毒薬を操るメディア、権力を持つクリュタイメストラ、絶世の美女ヘレネ、邪恋の王妃パイドラ、父を殺して結婚したヒッポダメイア、母子相姦の汚名を着た王妃イオカステ、邪教に堕ちた母アガウェ、集団で夫を殺すダナイデスなど、悪女と呼ばれる女たちの魅力に迫る。
目次
第1章 憎まれた悪女たち(毒薬を操る女・メディア;権力を持つ女・クリュタイメストラ;絶世の美女・ヘレネ;邪恋の王妃・パイドラ)
第2章 畏怖された女神たち(大女神・ヘラ;愛の女神・アプロディテ;知と戦争の神・アテナ;狩の女神・アルテミス;夜と呪術の女神・ヘカテ;豊穣の女神・デメテル;家の守護神・ヘスティア)
第3章 凶事を担当するニンフ集団(エリーニュエス・復讐の女神たち;死者の国のニンフたち;女武者集団・アマゾネス;冥府の使い・セイレーネス;詩歌女神・ムーサイ)
第4章 心ならずも悪に堕ちた女たち(人類最初の女・パンドラ;父を殺して結婚した女・ヒッポダメイア;母子相姦の汚名を着た王妃・イオカステ;邪教に堕ちた母・アガウェ;集団で夫を殺すダナイデス)
著者等紹介
三枝和子[サエグサカズコ]
1929年、神戸市生まれ。関西学院大学哲学科卒、同大学大学院中退。小説家。教師を経て作家生活に。69年『処刑が行なわれている』(審美社)で田村俊子賞、83年『鬼どもの夜は深い』(新潮社)で泉鏡花賞、2000年『薬子の京』(講談社)で紫式部賞を受賞。古代ギリシア文学を読み直すことによって、独自の見解を小説化する試みを続けている。評論集『女性のためのギリシア神話』(角川書店)ほか
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