講談社文庫
チンチン電車と女学生―1945年8月6日・ヒロシマ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062931281
  • NDC分類 369.37
  • Cコード C0195

出版社内容情報



堀川 惠子[ホリカワ ケイコ]
著・文・その他

小笠原 信之[オガサワラ ノブユキ]
著・文・その他

内容説明

原爆が炸裂したあの日も、チンチン電車は広島の街を走っていた。運転士と車掌の多くは14~17歳の女学生たち。兵隊に取られた男たちの代わりを務めていたのだ。本書は、彼女らが通った「幻の女学校」の存在を明らかにし、徹底した取材で、少女たちの青春と、8月6日のヒロシマを記録する。待望の文庫化!

目次

第1章 「幻の女学校」との出会い
第2章 広島電鉄家政女学校開校
第3章 女学生運転士の誕生
第4章 青春の日々
第5章 軍都・広島とチンチン電車
第6章 八月六日、午前八時十五分
第7章 地獄絵のなかを
第8章 復旧電車が走る
第9章 女学生たちの六〇年

著者等紹介

堀川惠子[ホリカワケイコ]
1969年広島県生まれ。ジャーナリスト。『チンチン電車と女学生』を皮切りにノンフィクション作品を次々と発表。『死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの』(日本評論社)で第32回講談社ノンフィクション賞、『裁かれた命―死刑囚から届いた手紙』(講談社)で第10回新潮ドキュメント賞、『永山則夫―封印された鑑定記録』(岩波書店)で第4回いける本大賞、『教誨師』(講談社)で第1回城山三郎賞を受賞

小笠原信之[オガサワラノブユキ]
1947年東京都生まれ。北海道新聞記者を経てフリーに。東京大学客員教授。『塀のなかの民主主義』(潮出版社)は第9回潮賞ノンフィクション部門優秀作を受賞。2012年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

291
10年ほど前にテレビでドキュメンタリーが放映されたようなのだが、それも含めて、ここに書かれていることは全く初めて知ることばかりであった。戦況はしだいに悪化しつつあり、男たちは次々に戦地に送られていった。そうした状況を背景に、1943年に広島電鉄家政女学校が開設された。学びながら、市内電車の車掌、あるいは運転士として女性を養成するための女学校である。やがて彼女たちは現場に投入され、そして8月6日を迎えた。多大な犠牲者が出たことは言うまでもない。そして、戦後男たちの復員とともに学校はその使命を終えた。続く⇒2016/07/01

へくとぱすかる

44
けさ朝刊で著者の名前を見つけ、1年ぶりに文庫で再読。読み終わったときには、本当に涙ぐんだ。被爆死した女学生運転士のうち8人が、運転席で骨だけになって見つかった、という個所には、ぐっ、と心がえぐられるような気がした。戦争中とはいえ、それなりに青春を送っていた少女たちの日々を、原爆が無残に打ち砕いたのであった。テレビ番組で証言した当時の女学生の多くは鬼籍に入られたが、電車の運転士・車掌を、今の高校生にあたる年齢の少女が担当しなければならなかった時代は、二度と招いてはならない。それが彼女たちの遺志だろうと思う。2015/08/14

きょちょ

27
昭和18年、兵役で多くの男性従業員を奪われる中、広島電鉄はチンチン電車の運転手・車掌を育成するため、家政女学校を開設する。 やがて14~17歳の女学生が、運転手・車掌として活躍する。 ロマンスあり、事故あり。 そして原爆投下。 88%の車両が被災、しかし何と8月9日には、短い路線だがチンチン電車が走りだす! 焼けただれた原爆ドーム、周りはがれきと死体の山、そこに一両のチンチン電車が走る写真は感動を呼ぶ。 静かな静かな反戦の本。 ★★★2018/01/16

fwhd8325

22
戦時中のことだが、どことなくユーモラスな状況も感じられるのだが、舞台は広島。8月6日の悲惨さは、想像を絶する。はだしのゲンをはじめ、この景色は見て、聞いてきたものだが、言葉にならない。 こうした記録がしっかりと残された意義はとても大きいと思います。そして、私たちはこの歴史が風化しないようしっかりと語り継いでいかなければいけないのだと強く思うのです。2015/07/23

わゆ

22
戦時中広島市内のチンチン電車を動かしていた「幻の女学校」の女学生たち。広島の人ですら知る人がほとんどいない彼女たちの存在を知り、掘り起こしたノンフィクション。生々しい証言は重たい、けれど知ることができてよかった。2015/07/20

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