講談社文庫<br> 幽界森娘異聞

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講談社文庫
幽界森娘異聞

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  • サイズ 文庫判/ページ数 374p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062755894
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

猫たちを拾った森で、“彼女”に会った。生前は一度も会ったことがなかったのに。文豪の娘にして耽美の祖?!森茉莉と運命的に遭遇した作家は、様々なイメージに翻弄される。作品の中に生きている彼女、この活字の森の中では「森娘」、と作家の関係性が、うねりながら浮かび上がり、符合する。泉鏡花文学賞受賞作。

著者等紹介

笙野頼子[ショウノヨリコ]
1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。’81年「極楽」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。’91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、’94年「二百回忌」で三島由紀夫賞、同年「タイムスリップ・コンビナート」で芥川龍之介賞を受賞。2001年には本書で泉鏡花文学賞を、’04年に『水晶内制度』(新潮社)でセンス・オブ・ジェンダー大賞を、’05年に『金毘羅』(集英社)で伊藤整文学賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あ げ こ

16
活字の怪、活字の森の中。森茉莉ではなく森娘。評伝ではない、これは小説。めちゃ面白い、笙野頼子の小説の中でも相当にスリリングで面白い。特にⅥ以降!!初めはただ翻弄されるように、やがて『甘い蜜の部屋』の森娘譚、偉いモイラ、対比と収集と検証で興奮、そしてⅥからが凄い、Ⅵから凄い笙野頼子!笙野頼子大爆発、と言った感。こちらのテンション爆上がり。この辺りから笙野頼子の文章が勝り出す気がする。まさに超えて行く、突き抜けて行く瞬間を目撃したような気がする。引用し、引用し、的確で効果抜群の怒涛のツッコミ的ディテール重ね…2021/05/03

びっぐすとん

11
今年初めての挫折本。初読作家さん。頭痛くなった。森娘は日本人なら知らぬ人はいない明治の文豪(えっ当然判るよね←作者のマネ)を父に持つお嬢様。とはいえ私も名前を知ってるだけで作品を読んだこともなく興味もない。だからこの作品のノリで森娘を語られても全くついていけない。元祖天然キャラだか、やおいの元祖だか知らんが、熱いテンションの文章が酔っぱらいの説明を聞いているようで意味不明である。最初の一冊目にこれを選んだのは失敗だったか。佐藤亜紀さんの解説が佐藤さんの作品並みに難解で、助けにならない。何もかもお手上げ。2019/02/09

安南

9
初、笙野頼子。独特な語り口に魅了されました。おもしろいです。もう、笑いどころ満載。森娘=桃井かおり説とか、檀ふみに至っては、爆笑!(我が人生で一番目撃回数が多い芸能人檀ふみ!)幸田文との文豪娘対決!『痴人の愛』やら『真夜中の天使』やらコテンパン!このノリで近代文芸史なぞ書いてくれたら楽しそう。作者の森茉莉に対する愛情もたっぷり感じられました。2013/04/27

記憶喪失した男

8
天才作家らしいが、やおい本の元祖についての評論なんかを男のおれが読んでどうするというのか?2017/10/10

Mark.jr

3
実在の作家の森茉利を通して、文学、批評、フェミニズムもろもろをぶった斬るという作品。その饒舌で時に攻撃的な文章は、豊崎由美氏なんかを彷彿させますが、内向的なベクトルを感じるのこが、著者の個性というか。2023/09/01

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