律令国家の転換と「日本」

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  • サイズ B6判/ページ数 368p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062689052
  • NDC分類 210.1
  • Cコード C0321

内容説明

桓武天皇による長岡京、平安京への相次ぐ遷都。天皇の権威が確立する一方で、藤原氏北家も朝廷に地歩を固め、摂関制度が成立する。地方では伝統的な郡司層が没落し、国司長官の受領化が進展。九世紀、国家体制は大きな転機を迎える。

目次

第1章 平安遷都と皇位継承
第2章 天皇いかにあるべきか
第3章 帝国の再編
第4章 求法の人々
第5章 政務処理と法
第6章 摂関制度の成立
第7章 徴税論理の転換
第8章 地域社会の変容
第9章 受領と負名

著者等紹介

坂上康俊[サカウエヤストシ]
1955年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。現在、九州大学大学院教授。奈良・平安時代史専攻。とくに日唐比較法制史と平安時代の地方制度の研究に取組み、中国と中世とを意識しながら日本の古代国家の特質を描こうとしている。主な編著書に『唐令拾遺補』(共編、東京大学出版会)、「安芸国高田郡司藤原氏の所領集積と伝領」(『史学雑誌』第91編9号)などがある
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感想・レビュー

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カザリ

38
資料本。対外情勢に応じて軍制が変化するのはごくあたりまえなことだけれど、なぜかこの律令国家から王朝国家になる過程でそういうことを学ぶ機会がほんとうになかったな、と思う。歴史を学ぶということは、本当は現在をどう生きるかのヒントになるけれど、ヒントにするには結構勉強することになるのだな、と。でもなんでもそうだよね。まさか、高校の数学で飛行機が宇宙船が作れるわけがない。ああ、勉強は奥が深い。やがて武士のつながっていく序曲となるこの時代。桓武を持ち上げた藤原百川が悪くて好き。2016/05/05

umeko

8
税制について書かれた章が興味深い。国の転換期を俯瞰でき、面白かった。2016/09/07

MrO

3
納税制度が大きく様変わりする時代の物語。中央政権の藤原一極化と地方支配の変遷が並行して描かれている。地方農民からすれば、昔はみんなが家族みたいでよかったねえと感慨にふけるのか、この混乱に乗じて一旗あげてやろうとするのか分かれるところか。そして、徐々に、地方の中から、しかし地方から独立しつつ武士階級が生まれていく。それは、次の巻で。2015/10/08

りり課長

1
75P    後半の収税方法の遷移は刺激的だが描けることが少ないのか、あまりに駆け足の観がある。 これも含め一般向けな歴史の本は相変わらずその時代の庶民の生活は描か/けない。歴史学は社会科学ではなく人文科学で十分なのであろう。2014/09/04

かわのふゆき

1
日本の歴史04「平城京と木簡の世紀」は未読。ちなみに、9世紀は表紙に何の画像をを選べばいいのか分からないほど文化的に一般受けしない時代ではあるが、研究者にとっては非常に面白い時期らしい。9cの幕を開けた桓武天皇には27人のキサキがいて、嵯峨天皇には皇子23人・皇女27人いたらしく、日本人ってある意味スゲーと思ったり。最澄の愚直さに「いいヤツじゃん」と思ったり(すみません最澄さん)。次は時代をちょっとまたいで09巻の「頼朝の天下草創」を読む予定。2010/03/03

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