講談社選書メチエ
満鉄全史―「国策会社」の全貌

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  • サイズ B6判/ページ数 266p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583749
  • NDC分類 335.49
  • Cコード C0321

内容説明

「陽に鉄道経営を装い、陰に百般の施設を実行する」満洲支配の尖兵。だが政・官・軍の対立と場当たり的政策に翻弄された「国策会社」は、必然的に破綻する運命にあった。創立一〇〇周年を機に、近代日本を体現する矛盾と迷走の全歴史をたどりなおす。

目次

プロローグ―「国策会社」満鉄とは何だったのか
第1章 国策会社満鉄の誕生
第2章 「国策」をめぐる相克
第3章 使命の終わりと新たな「国策」
終章 国策会社満鉄と戦後日本
エピローグ―現代日本にとっての満鉄

著者等紹介

加藤聖文[カトウキヨフミ]
1966年、愛知県生まれ。証券会社勤務を経て、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、人間文化研究機構国文学研究資料館助手。専門は日本近現代史、記録資料学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mitei

33
満鉄創立から解散までの歴史を扱った一冊。途中は人事の話とかが多くあまり面白くなかったが、後半の特急あじあ号とか、満鉄のその後等が特に読み応えがあった。満鉄に関わった人が戦後新幹線を作ったり、戦後の終身雇用制度等の会社システムが導入されたのも満鉄で政治家も満鉄から出ているところに如何に当時の優秀な頭脳が集まっていたのかがよくわかる。2011/08/12

中年サラリーマン

18
日本にとって満州とはなんだったのかと思った。日露戦争の思いもよらない戦利品として鉄道敷設権を得たことから国をバックに発足した満鉄。自由闊達な雰囲気での合理性で満州での経済的自立にまい進した満鉄。満鉄を使って大陸への政治的影響力を行使しようとした日本政府。ロシア封じ込めに利用しようとした軍部。三者が自分の組織の都合だけを考えた結果、「日本」としては結局何をしているのか分からない状態。張作林やロシア革命の予想外のイベントはあったものの、結局自分の周りの空気だけで動く国民性が裏目に出続けた満州時代!2014/02/21

Hiroki Nishizumi

5
読了後の印象として、全史と名乗るには少し大袈裟かなと思った。国策にも関わらず場当たり的な政策しか出来なかった事実は、まさに現代日本にも通じるKGIの欠如である。考えさせられるものだ。2022/05/16

Takeshi Kubo

5
本書は、「国策会社」としての満鉄という観点から、その創立から終焉まで国策に翻弄され続けた満鉄の歴史について論じています。正直、満鉄自体の通史を知らなかった自分には、非常に分かりやすく、全体像をつかむ事が出来る本ではないかと思います。2013/09/08

hika

3
満鉄の今日的意義を問い直すため「国策会社」としての満鉄を描き出そうとする。国策という言葉の曖昧さとそれに引きずられた植民地支配の有り様は興味深い。満州と日本の政界を舞台とした権力と人間ドラマもなかなか面白かった。2009/01/08

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