講談社選書メチエ
色で読む中世ヨーロッパ

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583640
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C0322

内容説明

黄色に付随する負のイメージ。権力と護符の色としての赤。美しくも不気味な緑。一五世紀に大流行する黒―。当時の人々は色にどのようなメッセージを込めたのか?色彩に満ちた時代はどのようにして始まり、そして終焉を迎えたのか?さまざまな色から中世ヨーロッパ人の感情生活を捉え直す。

目次

序章 色彩文明の中世
第1章 中世の色彩体系
第2章 権威と護符の赤
第3章 王から庶民までの青
第4章 自然感情と緑
第5章 忌み嫌われた黄
第6章 子どもと芸人のミ・パルティと縞
第7章 紋章とミ・パルティの政治性
第8章 色の価値の転換
終章 中世人の心性

著者等紹介

徳井淑子[トクイヨシコ]
1949年生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得満期退学。お茶の水女子大学生活科学部教授。専攻はフランス服飾・文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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シルク

12
「というのは、黄色が衣服の色として使われることはさらに限られ、子どもと道化や芸人の服に認められるだけで、しかるべき身分の大人がこの色を着ることはなかったからである。」(p.126)……言われてみれば。ヨーロッパの古い絵画とか見てると「黄色い服」の人物って、そうそう見かけないよーな気もする。……そういえばディズニー映画『美女と野獣』で、ヒロインの晴着は黄色のドレスだった。あれを日本人のわたくしは「華やかv」と思うけど、キリスト教圏の人、あるいはヨーロッパの人は何か意味を読み取ったりするのかな。どうだろうね。2018/02/02

さいと

7
中世ヨーロッパ(12~15世紀)の色彩ついての本。どう考えられ、どう使われていたかをシシルの「色彩の紋章」を引用しながら読み解いていきます。現代では色なんて、それこそ500でもニュアンスの違いから生みだすことはできます。しかし、中世において色彩は自然の染めものであり、技術的未熟さによるニュアンスの違いは区別するのではなく白・赤・青・緑・紫・黒など主要などれかの色に分類されます。草木染の淡さが今はもてはやされるけど、昔はきれいにしっかり染める方が難しかったんだなあ。2010/11/24

doapon

6
悲しみという感情が 怒りと並んで慎むべき劣った感情とされていた時から、古代文明の憂鬱質が創造的な者の気質として発見され 知的で美しさをまとう感情という評価へと変化した中世末、喪の色であった黒色も高貴で上品な色、現在のフォーマルに繋がるイメージへと大きく転換した…というところがとても面白かった! こういう変遷を知るのが大好きです。緑色、黄褐色にまつわる感情や意味も、北ヨーロッパの自然と日本のそれとの大きな違いを感じました。秋の枯葉は価値のうつろいと衰退の色なのか…日本人にとっては美しい色なのにねぇ…2020/11/23

碧月

6
囚人服はなぜ縞柄なのか、ギャンブル台はなぜ緑色なのか。映画「シュレック」の色の効果など身近に使われる「色」が、中世からの色のイメージと関係しているという。身近な話題から分かりやすく解説されていて、歴史の知識がなくても十分楽しめます。カラーでないのが残念ですが、これから絵画などを見るときに役立ちそう。緑の章を読んでイギリス民謡の「グリーンスリーブス」を思い出しました。緑が表す若さや恋の移ろいを考えると、この曲の歌詞がよくわかるような気がします。2013/04/10

ポン酢ペロペロ星人くん

6
中世において色の持っていた意味がわかりやすく解説されていた。惜しむべきポイントはやっぱり参考図版が白黒なところ。 それ以外は、例えば白が純潔を示す色で、純潔であることは乙女よりもむしろ騎士に求められた性質であるだとか、そういった西洋の文学や絵画を紐解くのに有用そうな話がたくさん載っていて面白かった。2012/05/30

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