内容説明
ヤジさんキタさんは江戸っ子ではない?しかも同性愛関係にあった?艶笑と猥歌に満ちた内容から、このような設定が現代日本人の知識から切り離されてしまった「膝栗毛」。二〇年にわたって書き継がれ、二〇〇年にわたって享受された大ヒット作の「笑いの本質」と「文化現象の構造」に肉迫する。
目次
第1章 『道中膝栗毛』の笑い(『道中膝栗毛』理解のための基礎知識;『東海道中膝栗毛』の執筆方針;嘘と失敗だらけの二人組;色気と食い気;性的視線と「表裏」の文学)
第2章 「膝栗毛物」という文化(受容史二〇〇年;『道中膝栗毛』のマルチメディア展開;『道中膝栗毛』の言語史;数々の異本「膝栗毛物」;大ヒットの原因)
補章 『道中膝栗毛』の出版と作者十返舎一九について
著者等紹介
綿抜豊昭[ワタヌキトヨアキ]
1958年東京生まれ。中央大学文学部大学院修士課程修了。現在、筑波大学図書館情報学系教授、博士(文学)。専門は和歌、連歌作者についての研究。近年は図像学に研究対象を広げ、「庶民の知識化」をテーマにしている
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