内容説明
驚くべき新事実が次々と明かされた!政治の世界を知り尽くし、「最後のフィクサー」と呼ばれた男が全てを語った3年間19回に及ぶ迫真の証言録。
目次
第1章 六〇年安保の首相官邸
第2章 官房長官の事実
第3章 背後に潜む「近親増悪」
第4章 「高崎発の群発地震」
第5章 角栄を排除した竹下登
第6章 権力をめぐる闘い
第7章 「コバチュウ・グループ」という裏組織
終章 永田町の人間関係
著者等紹介
福本邦雄[フクモトクニオ]
1927年、福本和夫の長男として出生。51年、産経新聞入社、記者兼研究員として勤務。59年、同社より第二次岸内閣の椎名悦三郎内閣官房長官秘書官に出向。61年に独立、フジコンサルタント、フジ出版社、フジ・アートの経営に当たる。89年、旧KBS京都(京都放送)社長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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koji
3
偶々図書館で見つけ、一気読みしました。元々、著者の父、戦前の共産党の理論的指導者福本和夫は、立花隆「日本共産党の研究」で知っており、著者も日本の歌人の男女関係を綴った「炎立つとは」を雑誌「選択」の時に読んで、その縦横無尽の筆遣いに感嘆していたので、違和感はありませんでした。椎名、大平、竹下、中曽根(敬称略)、財界のコバチュウグループの関わり等を下敷きに展開しますが、そのエピソードは面白く、特にローレンツの「攻撃」を引用した「近親憎悪」やら、竹下元首相の「勤務評定」やら、最後は「老子」やら含蓄が深いですね。2013/06/02
ゆうろう
1
「政界最後のフィクサー」の回顧録ゆえ、バブル時代他のキワどい話が出てくるのかと思ったが、そこは期待外れだった。「60年安保」時、国会議事堂を取り囲んだデモ隊を排除するよう、岸首相は自衛隊出動を試みたが、部下の反対でかなわなかったとは初耳。誠に岸らしい。P114「外敵からの攻撃によってではなくて、内部から(内閣は)崩壊するんですね。」とは、ここ最近の政局を見ても的を得ていると感じた。また、P158「審議会制度というものが、代議士の国会での審議権を剥奪する」等、納得いく記述が多い。中曽根の悪どさを改めて実感。2021/10/04
bassai718
1
政界のフィクサーと呼ばれた男の回顧録。面白い話は多かったが、特に竹下登が政治家の勤務評定を独自につけ、病気持ちの議員の名前に赤線を引いていたというエピソードが怖い。2018/06/17
kohaku
1
竹下派がらみの事件のノンフィクションを読んでいると必ず名前の出る”政界の黒幕”福本邦雄のオーラル・ヒストリー。かなりあけすけに語っていて、宮澤・中曽根など政治家たちへの言葉も率直ないし辛辣なものだった。”ポリティカル・アーティスト”椎名悦三郎や議員の”勤務評定”を採点してグラフ化していた竹下登についての話は面白かった。他に興味深い話は、戦後しばらく財界を牛耳っていた”コバチュウ・グループ”(小林中ら財界主流派)の形成・全盛・終焉を語った章。構成は時系列でなくかつ話のリピートも多いので少し読みにくい気も。2013/07/18
denken
1
竹下登については本人のオーラルヒストリーよりもキャラを掴みやすい。2012/05/17