アースダイバー

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  • サイズ A5判/ページ数 266p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784062128513
  • NDC分類 291.36
  • Cコード C0020

出版社内容情報

縄文地図を片手に、東京の風景が一変する散歩の革命へ!見たこともない、野生の東京が立ち上がる。
だれも書かなかった東京創世記!

縄文地図を持って東京を散策すると、見慣れたはずのこの都市の相貌が一変していくように感じられるから不思議だった。どうして渋谷や秋葉原はこんなにラジカルな人間性の変容を許容するような街に成長してしまったのか、猥雑な部分を抱えながら新宿がこれほどのバランス感覚を保ちつづけていられるのはなぜか、銀座と新橋はひとつながりの場所にあるのに、それぞれが受け入れようとしている人々の欲望の性質がこんなにもちがうのはなぜか、などなど、東京に暮らしながら日頃抱きつづけてきた疑問の多くが、手製のこの地図をながめていると、するすると氷解していくように感じられるのだから、ますます不思議な思いがしたものである。――<「エピローグ」より>

<まったく新しい東京散歩へ!>
ウォーミングアップ(東京鳥瞰)/湿った土地と乾いた土地(新宿?四谷)/死と森(渋谷?明治神宮)/タナトスの塔(東京タワー)/湯と水(麻布?赤坂)/間奏曲(坂と崖下)/大学・ファッション・墓地(三田・早稲田・青山)/職人の浮島(銀座?新橋)/モダニズムから超モダニズムへ(浅草?上野?秋葉原)/東京低地の神話学(下町)/森番の天皇(皇居)

全21点アースダイビング・マップ付き

第9回桑原武夫学芸賞受賞

中沢 新一[ナカザワ シンイチ]
著・文・その他

内容説明

縄文地図を片手に、東京の風景が一変する散歩の革命へ。見たこともない、野生の東京が立ち上がる。誰も書かなかった東京創世記。

目次

第1章 ウォーミングアップ―東京鳥瞰
第2章 湿った土地と乾いた土地―新宿~四谷
第3章 死と森―渋谷~明治神宮
第4章 タナトスの塔 異文/東京タワー―東京タワー
第5章 湯と水―麻布~赤坂
第6章 間奏曲―坂と崖下
第7章 大学・ファッション・墓地―三田、早稲田、青山
第8章 職人の浮島―銀座~新橋
第9章 モダニズムから超モダニズムへ―浅草~上野~秋葉原
第10章 東京低地の神話学―下町
第11章 森番の天皇―皇居

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年生まれ。思想家・哲学者。著書に、『カイエ・ソバージュ全5巻』(講談社選書メチエ、『対称性人類学』で小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(講談社学術文庫、サントリー学芸賞)『森のバロック』(せりか書房、読売文学賞)『哲学の東北』(青土社、斎藤緑雨賞)『フィロソフィア・ヤポニカ』(集英社、伊藤整文学賞)など多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あちゃくん

62
アースダイバーのゴーグルを付けて見えた世界。とても面白い。東京だけでなく日本の他の都市や、世界の都市がどう見えるのかも知りたい。たぶん人が集まるのは、それなりの地政学的な理由があるんだろうな。2014/02/01

koji

40
最近「アースダイバー神社編」が刊行された息の長いシリーズ。本書は16年前の第1作。著者の中沢さんは、縄文海進期(地質の硬い洪積層と水が進入し砂地になった沖積層か入り交じった期)のお手製地図を片手に、自転車で東京を駆け回りますが、その視点は地中深く(層の分け目まで)潜り込みダイバーとして視ること(それ故アースダイバー)。中沢さんらしく、渇いた文化、湿った文化、「サッ」(岬という境界)、記号化した資本主義、生と死の領域というポストモダン的視点で縦横に東京を語り尽くします。満足の1冊。暫くシリーズを追いかけます2021/08/21

ころこ

35
古代に現代的な理想をみるというのは、ギリシャに代表される人間の思考のクセのようなものです。著者は東京の近過去の江戸ではなく、古代の縄文に注目しています。否定的意味の地球温暖化を海岸線の変化による洪積台地と沖積低地の分割線と読み替える着想が優れています。東京タワー設立の経緯を実は前方後円墳のある生と死が一体となった場所的意味づけとして再解釈し、皇居を従来の中心周縁だけでなく突端の境界領域と融合させることにより迷宮として描きます。単なる地域研究と異なる、現代と古代を往還する人類学的なエピソードが豊富です。2018/12/19

てんちゃん

33
博識な中沢さんが語る東京。地質学、考古学、民俗学、社会学、私にはよく分からないけれど、きっといろんな知識を土台に持ちながら、想像力豊かに霊的な感性を働かせて東京という地の面白さを語ってくれている。縄文時代には海だった地と岬や丘だった地の比較。縄文時代の東京はずいぶんと海中にあったようです。職場同僚のオススメ本。普段、自分からは手に取らないタイプの本を楽しむことが出来ました。2019/02/26

コットン

31
東京をアースダイバーという視点で読み解いた本。 「週間現代」の連載から始まった影響か、豊富な知識を興味を引くように今風な語りなのですが若干迎合ぎみで重複箇所もあり、私は乗り切れないものを感じました。著者は好きな作家さんですが『チベットのモーツァルト』『雪片曲線論』『虹の理論』など比較的初期の書籍の方が何かを訴えかける直線的なエモーションがあったように思います。「大阪アースダイバー」は少しよくなっている様に思いましたが、次を期待したいと思います。2012/12/17

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