内容説明
「わたしって、成っていく者なのよ」。男が女に贈った謎の詩を巡る壮大なドラマ。人間存在の最深部を照らす書下ろし神秘的長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あ げ こ
8
多くを脱ぎ、多くを捨て、越えて行く。成るため。近付くため。それは静かで、あまりにも遠く、難しい旅。その途上にあるもの。着実に進み行く自分自身を、幸せであると言う。穏やかに。けれど力強く。自分自身の内にあるものの。いつよりあるのか、自分自身にさえわかり得ぬものをも内包している事の。不可思議さ。漠然と広がり、際限を持たぬと言うその怖さと向き合い続けて来た果てに。気付き、選んだ道であるが故に。幸せであると言う。その姿はあまりにも遠く、難しく、眩い。行ってしまったと。もう届かぬと。残され嘆くものの言葉が木霊する。2016/11/22
devil
1
むむむ、わからない。2021/08/10
y_e_d
0
高橋さんのを観念的な作品はサラッと読み通せなかった。憎悪によって行動を支配する俗世間か虚無しかないという無神論者のアントワーヌが、出会った頃の妻が描いた絵の中に見た(見えた)透明人間——「君の中の見知らぬ女」を追求しようとする。やがて妻はバイクの爽快感に酔いしれ事故死。その頃に描かれた絵には透明人間は認められなくなってしまったが、確かに見た「君の中の見知らぬ女」は誰にでも見えるものではない・・・そして神的なものを認めるようになる。やがて修道士生活に入る心の転化を描いている。分かりそうで、分からない話だ。2017/06/12
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