内容説明
幽明があらわれる。エロティックな肌ざわりがあらわれる。この世ならざるところの空気が、孕まれる。泉鏡花の華麗を極めた文学の内奥を通じ、物語の広野を渉猟する長編エッセイ。
目次
金沢
川
橋
水死
水神
蛇
白
メルヘン
化物
盲人
隅田川
深川
カロン
小人
変化
峠
鳥
社
遊行
白神
金沢
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
salvia
6
博識の熟練ガイドに大きな山を案内してもらった感じ。これは面妖な、と戯けながらも鏡花作品の本質を突く。ドイツ文学との比較によってより理解し易くなっており、特にメイヤーの詩の解釈や『小人』の章などは門外漢の私にも興味深く読むことができた。教養をひけらかす感じにならないのも人柄なのだろう。2020/09/07
koji
1
朝日新聞の「ゼロ年代の50冊」の1冊。「金沢は最初の異界だった。」に始まり、「加賀の酒を啜りながらぼんやりと考えていた」で終わる、泉鏡花を縦軸とし、折口信夫、柳田國男、ドイツ詩人を横軸とする幻想的な文学の世界。一読に値します。(以前、別のペンネームで書いたものをkojiに移しました。)2010/08/19
koji2
0
朝日新聞の「ゼロ年代の50冊」の1冊。「金沢は最初の異界だった。」に始まり、「加賀の酒を啜りながらぼんやりと考えていた」で終わる、泉鏡花を縦軸とし、折口信夫、柳田國男、ドイツ詩人を横軸とする幻想的な文学の世界。一読に値します。2010/08/19