内容説明
現代という孤独な社会の中で父・母・子の関係が大きく揺らいでいる。病んだ大人たちと、心と体を傷つけられた子供たちを、どう治療し、どう救うべきかを提言する。
目次
第1章 今、何が起こっているか―3つのケースから
第2章 さまざまな児童虐待
第3章 児童虐待への対応の変化―アメリカの場合
第4章 日本の社会は児童虐待をどう取り扱っているか
第5章 母性―聖母と魔女の間
第6章 虐待は親から子に伝わる
第7章 性的虐待の爪痕
第8章 虐待されている子に出会った時
第9章 虐待する親への治療
第10章 虐待する親のもとで成人した「子供」たち
第11章 児童虐待への地域ケア
第12章 「子どもの虐待防止センター」の現場から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るうるう
2
日本における児童虐待問題の実態、およびそれに対する公的対応の不備について詳述。著者らは助ける側であり、被虐待児だけでなく、虐待する親にも共感をもて、待て、見守れとも説く・・・けれど、今、今夜、明日のいつか、サンドバッグのように殴られる乳幼児に待てというのか? それは永遠に待てというのと同じではないのか。2013/01/09
なっちょん
1
母子関係のレポートを書いたので。アダルト・チルドレンのための自己を肯定する訓練が、色々と参考になった。自分を「生きる価値のある人間」と肯定するためには、過去を肯定しなければならない。そのために必要なのが(親に)愛された経験。親の愛がどれほど重要かって、私の言葉じゃ説明しきれないけど、とにかく本当に、責任なく親になっちゃいけないよ。それは子どもを精神的に殺すのと同じこと。2012/08/05