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内容説明
太平洋戦争の末期、日本最大の激戦地であった沖縄本島の南部で、わずか七歳の少女が、たった一人で戦場をさまよったあげく、偶然めぐりあった体の不自由な老夫婦の献身で、白旗を持って一人でアメリカ軍に投降するまでの愛と感動の記録。
目次
まぶたのカメラマンをさがしもとめて
平和な島「沖縄」
肥難民の群れのなかへ
「生きる勇気」をあたえてくれた動物たち
ガマからガマへ
おじいさん、おばあさんとの運命的な出会い
わたしの役目は、生きつづけること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天の川
28
沖縄の激戦地を家族とはぐれ、彷徨う7歳足らずの少女。ガマに潜むおじいさんとおばあさんに巡り会うなど、運命によって彼女は生かされたと言えるが、それ以前に、彼女が大人顔負けの冷静な判断力と行動力、決断力の持ち主であったことが大きかったのだと思う。そして、そんな少女に育ったのは、家庭の教育力だったと感じた。子どもが激戦地を彷徨う…そんなことが二度と起きないようにしなければ! けれど、世界の各地では今も戦火にさらされる子ども達がいる。各国の大義名分の前に私たちは何ができるのだろう…?戸惑う私がいます。2014/08/29
ぶんこ
26
ベトナム戦争時の、裸で歩いてくる少女の写真。あまりにも有名な写真が思い出され、その遥か以前に、富子さんの白旗を挙げた写真があったとは。そのフィルムに値段が付いて売られてた!衝撃の事実を先に読んで、辛かったです。多くの人に読んで欲しい。父親に厳しく躾られたからこそ、生き延びられたのでしょう。目の前で残虐な場面を目撃した7歳の少女、私だったらと考えると、そんな場面を見たくなくて、海を目の前にしたら、自ら命をたっていたかもしれません。また親兄弟の言う事を素直に聞いて、覚えていたのも生きる力になったのでしょう。 2014/08/25
わむう
9
日本国内で唯一、地上戦があった沖縄で6歳の少女が70年前に実際に経験した話。夏休みにご本人がテレビに出演されていて、この本を手にとってみました。たくさんの危機を乗り越えながら何度も6歳ながら冷静に機転をきかし、何かに助けられているかとしか思えない事象で生き延びる。生きて、沖縄での事実を後世に伝えなさいという思し召しなのか。そして実際にそうされている比嘉さんの貴重な経験を知ることができて良かった。2015/09/06
ゆうか
8
沖縄戦について学ぶために読んだ本。さまざまな奇跡が重なって生き残った比嘉さんは、ほんとうに助かるべくして助かったんだなと思った。家族との別れ、一人ぼっちの戦場での逃避行…。本当に、7歳の女の子が経験するようなことじゃない。あんな中でたくましく生き延びた比嘉さんはすごい。また、ガマの中のおじいさんとおばあさんの優しさが心に染みた。ガマとは、生半可な気持ちで足を踏み入れることは決して許されない場所なんだなと、強く実感した。そして、今でこそ平和な沖縄を"地獄絵図"と化してしまった戦争にさらなる恐怖感を抱いた。2015/02/08
ゆにす
6
沖縄旅行の前に読みました。お父さんの教え「人についていくのではなく、自分の頭で考えなさい」という言葉に従って生きに残ることができたのがすごいと思いました。平和記念館に子どもを殺そうとする日本兵の模型があって悲しくなりました。2017/05/01