講談社文芸文庫<br> 対談・文学と人生

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講談社文芸文庫
対談・文学と人生

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  • サイズ 文庫判/ページ数 414p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984318
  • NDC分類 904
  • Cコード C0195

内容説明

独自の文学世界を打ち立てた二大巨人―小島信夫、森敦による長篇対談。昭和二十年代半ばからの知己である二人が、これまでの交遊を振り返りつつ、創作理論の“現在”を縦横に語り合う。悲劇と喜劇、内部と外部、小説におけるモデル問題、夢と幻想、演劇論等、多岐にわたるテーマを通して、二人の文学の根柢に迫るスリリングでアットホームな試み。幻の未刊長篇対談、待望の文庫化。

著者等紹介

小島信夫[コジマノブオ]
1915・2・28~。小説家。岐阜県生まれ。東京帝大英文科卒。1942年、入営し中国大陸に渡り、46年に復員。高校教師を経て、54年より明治大学に勤務。55年、「アメリカン・スクール」で芥川賞受賞。「第三の新人」として出発するが、独自の文学世界を構築。主な著書に、『抱擁家族』(谷崎潤一郎賞)、『私の作家評伝』(芸術選奨)、『私の作家遍歴』(日本文学大賞)、『別れる理由』(野間文芸賞)、『うるわしき日々』(読売文学賞)等

森敦[モリアツシ]
1912・1・22~89・7・29。小説家。長崎県生まれ。幼少年期はソウルで過ごす。旧制一高中退。横光利一に師事。1934年、「酩酊船」を新聞連載し、太宰治、檀一雄らと「青い花」を創刊。新鋭作家として期待されるも、以降30年に及ぶ転居・放浪生活を送る。50歳を過ぎ東京に戻る。74年、「月山」で芥川賞受賞。主な著書に、『われ逝くもののごとく』(野間文芸賞)等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

げんがっきそ

4
この小説家ふたりの創作の方法は対極に位置し、そのためによりお互いの話が活きているのではなかろうか。小島信夫は書いている内容に引きずられていき広がっていく。彼にとってそれが創作意欲のひとつになる。森敦の小説を読んだことがないので決めつけることはできないが、彼は規定した枠内におさまるように小説をしっかり書き切るタイプと見受ける。そこには数学があり形式美がある。小島信夫はデタラメを楽しんでいるように思う。デタラメといっても、逸脱する枠があってこそで、そのために森敦を訪ねていたのではないかと、勝手な推測をする。2020/06/28

hitotoseno

3
長年続く交友を振り返りつつ、森が「内部と外部」「密閉と非密閉」といったキーワードを打ち出し対談をリードして、小島がそれに応えていく。一見単なる思い出話かと思いきやいつしか話題がそれていき、かといって外部に終始するわけでもなく、そこには必ず二人にまつわる話、つまり内部が付属している。ひと月に一回行われた対談の後、小島が追記と称して解説とも感想とも取れないおかしな文章を載せているのだが、これも面白い。脈絡なく書いている様がまるで対談の後もくすぶる考えと取っ組みあっているようだ。それが一種の小説にも見えてくる。2012/02/05

yoyogi kazuo

2
坪内祐三の解説にもあるとおり、あの大長編問題作「別れる理由」の連載終了直後に掲載された対談であり、実質的に続編とも呼べる。内容的にも、「別れる理由」と同じくらい濃密で難解な雑談。さらに同時期に書かれた「返信」や「月光」などの短編も併せて読むとますます頭が混乱する。最近の群像に故坪内祐三の夫人の手記が載っていて、「別れる理由が気になって」の連載の頃は本当にキツそうだったと書かれていて、この解説もかなりキツそうに書かれている理由がわかる気がした。2021/07/03

Tonex

2
両者とも何を言ってるのかほとんど理解できないが、お互いの間ではちゃんと話が通じているらしい。なんかシュール。小島信夫の小説は、頭に浮かんだことを思いつくままに書いてるだけのように見えるが、明確な文学的方法論にしたがって書かれていることがわかった。森敦の小説は全然読んだことがないので、機会があれば読んでみたい。2015/02/04

nakaraitohsui

2
一人で文学宇宙を抱え込んでしまったような化物二人による超絶対談。噛合っているようで勝手に好き勝手喋っているようでその実ちゃんと共鳴しあっている。コレスポンダンスしている。中盤の内側外側、クライマックスの事実(モデル)と小説の話が印象深い。モデル論は秀逸。そして何より坪内さんの解説がニクイ、ニクイね!2009/10/22

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