• ポイントキャンペーン

講談社文芸文庫
改訂 文学入門 (改訂)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061983908
  • NDC分類 901
  • Cコード C0195

内容説明

一九五四年初刷刊行以来絶讃され、実験的実作による研究成果が盛り込まれ、増補改訂が加えられた。「できるだけ分かりやすい形で、文学の形式、その感動、その文体、他芸術との比較」の諸点から一般読者に向けて書かれ、一九七九年には四十刷の版を重ねた。“芸術とは何か”を追求した伊藤整の文学理論を集大成し、文学の本質を平易に解きあかした文学入門書の白眉。

目次

第1章 物語りの成立とその形式
第2章 悲劇と喜劇
第3章 近代社会と心理小説
第4章 日本の近代社会と小説
第5章 芸術至上主義と私小説
第6章 近代人のエゴと小説形式
第7章 論理と調和の文学
第8章 下降認識と上昇認識
第9章 現代社会と人間
第10章 芸術の本質

著者等紹介

伊藤整[イトウセイ]
1905・1・16~1969・11・15。詩人、小説家、評論家。本名整(ひとし)。北海道生まれ。小樽高等商業学校卒業後中学教師となり、1926年(大15)、詩集『雪明りの路』を出版。27年(昭2)、東京商科大学入学。ジョイス、プルーストに関心を持ち、意識の流れの方法による小説など発表、川端康成に推奨される。50年(昭25)、チャタレイ裁判で“表現の自由”のため闘う
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

260
世界の文壇史とはかなり違った毛色をもつ独特な日本文壇界がわかり易く分析・解説。特に私小説に対する類推・分類の仕方は流石と云うしかない。日本の近代文芸批評や文学理論等に興味のあるお方であれば、必読書というべき一書である。2016/11/24

カブトムシ

22
話を前にもどしてタテ型の作品なる「城の崎にて」に現れるモチーフ、すなわち死または無を意識する時に生命が理解され、私たちの存在が明らかに認識される、という方法は、日本の芸術家が好んで使う方法であって、この「城の崎にて」と同じ系統の感動を与える作品が他にもいくつかある。現代文学の中でそれをあげてみると、堀辰雄の「風立ちぬ」(1936年~38年)、尾崎一雄の「虫のいろいろ」(1948年)、島木健作の「赤蛙」(1946 年)、梶井基次郎の「ある崖上の感情」(1928年)などがある(伊藤整旧版「文学入門」p198)

fseigojp

18
戦後、どうしてベストセラーになったのか時代背景のほうが興味深い2016/10/17

kuririn

9
近代文学の解説本。太宰治や芥川龍之介、幸田露伴など文豪の作品はなぜ書かれたか、なぜそのテーマか、作品の内容と社会との関係性はどうなっているのかがなんとなく理解できる。「できるだけ分かりやすい形」で本書を書いたと序文にあるが、難解な部分もあり面白く読める部分もありで、一読では吸収しきれない。とはいえ、既読の作品については内容の理解と整理に役立つし、未読のものは勘どころをつかむ助けになる。入門と題しているが、ある程度著名な作品を読んでいることに加え、それらが書かれたときの社会情勢を知っているとなお楽しめそう。2021/11/06

ヴェルナーの日記

9
日本近代文学と西洋文学の差異を比較しつつ、その違いを明確に論述されている。 先に読んだ『小説の方法』や『小説の認識』に比べて初心者にわかり易く書書かれている。 全般的に伊藤整氏の著作は、読者に専門知識を要求され、ややもすると難解になりがちだが、本作は例外的に読み易い。 まさに『文学入門』と言ったところだろうか。2013/01/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/221141
  • ご注意事項