講談社文芸文庫<br> 草のいのちを―高見順短篇名作集

電子版価格
¥1,353
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

講談社文芸文庫
草のいのちを―高見順短篇名作集

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 294p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061982949
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

戦前戦後を貫く精神の軌跡を鮮やかに刻む精選短篇集。自らの出生の秘密を語る「私生児」、左翼体験の暗部を飄々とした筆致で描く「嗚呼いやなことだ」など戦前四作品と、敗戦後の荒廃からの精神の甦りを高らかに謳い上げる表題作、リベラリズムの内に潜む頽廃を一知識人に戯画化する「あるリベラリスト」など戦後四作品を収める。ユーモア溢れる文体から生まれる批評精神を一冊に凝縮。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sk

6
高見順はほとんど読んでこなかった。この近代小説と現代小説のあわいにある過渡的な文体が面白い。2020/10/24

JVSTINVS

1
こんな露悪的な作品を「日本文学の傑作」というのはやや忍びないが、やはり日本文学でここまで描写がしっかりしていて人物が面白く、文体が「読める」のは珍しく感じられるから、そういわざるをえない。英文学を原書でしっかり読んだひとなのだろう。とはいっても、脳病とか陋巷とか、そういうテーマばかりでよく飽きなかったな。2023/03/27

みや

1
転向後の1935年から晩年の63年までの間に世に出た短篇8作収録。高見氏のフィルタを通せば、何でもないようなシーンが驚くほど生き生きと活写される。ゆえに、昭和の世相の記録としても高い価値がある。しかし何より、心の底に慈しみや人間愛を湛えた眼差しと、卑屈さの同居こそ氏の真髄のように思う。敗戦の鬱屈と閉塞感の中、生命礼賛を高らかに謳う「草のいのちを」は歴史的名著といえる。彼にしか描破し得ない絶望の中に見出した、やけっぱちにも近い希望に強く胸を打たれた。2019/08/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/239505
  • ご注意事項