講談社文芸文庫
戦後短篇小説再発見〈7〉故郷と異郷の幻影

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061982673
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

記憶の底から蘇る忘れがたい光景―故郷・異国での失意と希望の日々を、過ぎ去りゆく時の中に刻む十二篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

35
☆☆☆☆ 人を食ったような島田雅彦の文体が実は紀行文では上手くはまっている「ミス・サハラを探して」。終戦後、満州からの悲惨な引き揚げの状況を映画のように活写した「五木寛之・私刑の夏」。方言が水俣病の悲惨さを鮮明にしている「石牟礼道子・五月」。在日朝鮮人の強かな生き方を描き義父の墓を踏みしめるラストが印象的な「小田実・アボジを踏む」。満州での貧困生活を伝える「木山捷平・ダイヤの指輪」。アメリカと日本、離婚した妻と夫、その距離感を雛人形に託す「林京子・雛人形」。まさしく表題のとおりその対比が印象的な好作品集。2021/01/13

踊る猫

9
なんと言っても石牟礼道子「五月」が印象にくっきり残る。何年か前に『苦海浄土』を苦労して読破した体験が甦って来た。生々しい水俣病の被害者の語りから浮かび上がる、素朴な漁業生活の愉楽を存分に満喫しまたあの『苦海浄土』の世界に浸りたくなった。あとはいつもながら好みで言えば五木寛之「私刑の夏」がエンターテイメントとして(悪く言えば通俗的に)良く出来ているのではないかと思う。いや、つまらない作品が並んでいるのではない。だが、石牟礼氏の絶妙な語り口に匹敵し得るかどうかという点では黙らざるを得なくなる。反則だと思います2016/08/07

ウチ●

5
移民、留学生、旅行者、出稼ぎ、身売り・・・昭和も日本もまだまだ若かった頃、日本人たちが本格的に外地・外国へと進出するようになった。異郷の地にある人々の幻影の「故郷」であるところの日本、若しくは田園。私の親の世代は出身が外地である方もいらした。彼らもやがて鬼籍に入りそのような視点からのものを書ける作家もやがて・・・。「引き揚げ派」の一人である五木寛之の収録作「私刑の夏」といったスリルに満ちた短編なども実体験をした者にしか書き得ない生々しさがある。やがて貴重な作品集になるであろうことは必定・・・。2018/05/05

いのふみ

4
1930年代に故郷回帰の風潮があったのも初耳だったし、「故郷と異郷の幻影」で括れるほどの数の作品があるのも知らなかった……。こういう文学は、移民の多い国や、今後移民が増えた国でリアリティが増すのかもしれない。2018/02/27

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