講談社文芸文庫<br> 女獣心理

講談社文芸文庫
女獣心理

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  • サイズ 文庫判/ページ数 260p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061982536
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

美術学校を出、銀座の店頭装飾を仕事にした女性征矢は、やがて伯爵のパトロンのサロンで、男達の憧憬の的となり、突然に失踪。巷では堕落した街の女になったとの噂が出る。澄みとおる程美しい眼をし、ギリシャ神話の白鳥の姿のゼウスと交わった女神に擬えて「レダ」と呼ばれた神秘の女が奔放に生き永遠の美と自己愛に殉じ狂おしく果てる姿を、「私」の眼を通し描く。日本文学に希れな、鮮烈な女性像。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

刳森伸一

6
レダとも呼ばれる九曜征矢(=女獣)の心理は、神話の登場人物の名前が与えられているように、捉え難く、周囲の人間は翻弄される。タイトルは、女獣の心理ではなく、女獣に囚われた人々の心理の意であろうか。2016/08/16

ganesha

4
レダと呼ばれた美しく孤独な女性についての物語。戦前の上流階級の雰囲気を楽しみつつ読了。2022/11/17

ひとみ

2
青年弁護士の塁は許嫁の沙子を通して女流画家のソヤと知り合う。美術学校で発表した絵に因んでレダと呼ばれる彼女を沙子は崇拝していたが、ソヤは上流人士の間ではとても不名誉な噂を纏っている娘でもあった。沙子と共にソヤと交流を持つ内に塁はソヤの身の上や人柄に噂の真相を知り次第に惹かれるようになるのだが…。再読。ソヤに仮託された問題が過去のものになっていない現代って何事かと憤る読書になってしまって勿体無かった。身勝手な男性にすら向けられる贅沢で優雅な描写が魅力的で、沙子の幼いような純真さが風通しをよくしている印象。2016/04/30

らくだ

2
皆ひどいや、と思った一冊。でも好き。きれいで不快感のない、古い小説。

ちろる

1
おもしろい。文体が素敵。2010/07/28

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