内容説明
ドロシアと結婚した二十七歳年上のカソーボン牧師は、妻に好意を寄せるいとこのラディスローへの嫉妬に苦しむ。この物語のもう一方の主要人物である有能な青年医師リドゲイトは、ミドルマーチ市長の娘ロザモンドと結ばれる。イングランド中部の商業都市ミドルマーチを舞台に多彩な人間模様を描写した、ヴィクトリア朝を代表する女流作家ジョージ・エリオットの代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
108
牧師であるカソーボンの狭量さの描かれ方は、カトリックではこうはいかないところ。彼が嫉妬に苦しむのは、自分を必要以上に大きく見せたいからだが、彼の弱った姿がまさに妻の心の良さを刺激する。そのあたりにはホッとした。リドゲイドの医師としての立派さと、私生活での落ち着かなさは、見ていて不安。財産に絡む人々の思惑は見ていられないのだが、世襲で財産を継ぐしかない当時の人々の事情もあるのかもしれない。この巻の最後に解説があるが、ネタバレになると嫌なので、読まずにおく。2017/03/12
NAO
51
知性溢れた年上の夫との念願の新婚旅行も失望を感じただけだったドロテア。一方の夫は、妻に気があるらしい従弟ウィルに嫉妬を感じる。また、ミドルマーチの別の恋人たちフレッドとメアリーの間で、金銭トラブルによる危機が生じる。いろんな思惑が入り乱れる中、若者たちは若者らしい甘い理想を描くが、現実はどこまでも厳しい。あまりにも堅苦しすぎる(それなのに、魅力的人物として誰からも慕われているのだが)ドロテア、見栄っ張りで結婚願望の強いロザモンドと、登場する女性たちに好感が持てない。メアリー、シーリアにもっと登場してほしい2017/02/20
Нелли(ネリ)
3
政治がらみの部分はいまいち頭に入ってこないけれど、理想と現実の悲喜こもごもが入り乱れるさまざまな恋愛や家族関係はそれぞれが活き活きとして面白い。しかし、英文学を読んでいる最中にいきなり「江戸の仇を長崎で討つ」なんて表現が出てくるといささかぎょっとしますね2016/03/04
ロピケ
1
早く続きが読みたいけど、手元に無いのです。こんなことなら4巻一気に借りてくれば良かった。2009/11/10
てり
0
登場人物それぞれ何かしら問題を抱えたり巻き込まれたりしている中、メアリーの存在が救い。彼女が不幸になっていきそうな予感がしてツライ。(3)へ続く。2021/11/26