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内容説明
山崎、賤ケ岳の合戦と、破竹の勢いで進んできた秀吉軍が、たとえ一部隊にせよ、長久手で家康軍に完敗したことは、今後の戦局、いや政局に、微妙な翳を落さずにはおかない。秀吉には苦汁を、家康には遅まきの美酒を。家康の不撓不屈の闘志と、秀吉の天才的なヨミが、激突する。そして秀吉が一歩先を制した。長らく信長の陰に隠れていた秀吉の“力”がここに全容をみせるのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
85
【月一吉川英治】約一年かけて読んできた太閤記もとうとう最終巻。信雄の勝手な秀吉との和議のおかげで、家康との争いも呆気なく終了。四国、北陸と立て続けに平定し、秀吉は関白に登りつめ、ほぼ全国制覇を遂げる。考えてみればすごい一生だったなあ。上杉家や真田家の事も、もっと詳しく読みたくなった。物語はここで終わってしまう。秀吉が好きな吉川さんはこの後の晩節を汚してしまったような後半生は書きたくなかったのだろう。ここまでで終わっていればね・・秀吉も英雄の一人であったろうに。それでも壮大な一大歴史絵巻であった。2020/11/01
優希
76
ここで終わるのかと思わされました。家康との対立は、秀吉が一歩先を歩んだように見えます。それは名実ともに秀吉が天下人となったことの証と言えるでしょう。武力ではなく、人を惹きつけることで、清洲会議以降、力をつけていったように感じました。天下を取った後の物語も気になるところです。2019/01/20
ともくん
47
ものすごく、中途半端な所で終わっていて、モヤモヤしてしまう。 巻が進むごとにトーンダウンしていくのが分かった。 吉川英治の作品の中では、いまいちだった。2019/11/25
けろりん
44
「逆境おもしろし」出世双六を順調に勝ち進んで来たように思われる秀吉だが、幼少期から、艱難の連続の人生を、その小さく虚弱な身体で、倦まず弛まず、人一倍の努力で乗り越え、天下を手中に収めた、逆境の中から生まれ、逆境の中で成人した、人生の闘士であったのだと吉川英治氏は書く。本書は、家康に長久手で完敗しながらも、巧みな外交戦略と和睦交渉で、自軍有利に戦を収めた秀吉が関白の位を得、一つの山の頂きに登った時点で完となる。図らずも世界的な未曾有の困難に陥った今年、一年をかけてこの物語を読む機会を頂けたことに、深く感謝。2020/12/31
糜竺(びじく)
21
唐突な終わりで驚いた。全11巻の大作で色々と感慨深いものを感じた。2021/08/27