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- > 講談社 吉川英治文庫
内容説明
信長を主に選んだ藤吉郎のすばらしい嗅覚。これは彼の天賦の才で、寧子への求婚でも言えることである。恋がたき前度県千代との、虚々実々の妻あらそい。だが、本巻の眼目は、田楽狭間の急襲にある。永禄3年、今川義元は数万の兵を率い、西征の途に立った。鎧袖一触と見くびられた織田勢であったが、信長は敢然とその前に立ちはだかったのである。この一戦の帰結が、戦国の流れを変えていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
85
この巻では信長、光秀、家康のことも多く語られ、ザ・戦国時代!の様相を呈している。信長は桶狭間で今川義元を倒し、寧子と祝言を挙げ、組頭となった秀吉の出世物語がこれからいよいよ加速する。犬猿の仲とは言うけれど、猿と犬千代との友情物語も物語に花を添えている。脳内ではやはり唐沢寿明だ。2020/02/07
優希
69
主に桶狭間の戦いが描かれます。今川義元の兵の前に毅然と立ちはだかる信長。戦国の流れが変わった瞬間と言えるでしょう。藤吉郎が信長を主君に選んだのも人を見る目があったからなのですね。後半は寧子との結婚式。藤吉郎の人間に対する嗅覚の鋭さを感じませます。2019/01/19
ともくん
59
何事も前向きに捉え、道を切り開いていく藤吉郎。 全ては、己の考えが正しい。 だが、それが読んでいて不快ではない。 己の信念を貫いているからだろう。 藤吉郎の他、織田信長、今川義元、松平元康、犬千代など、色濃いキャラクターが思う存分、暴れ回った第二巻。2019/02/15
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
37
信長に小物から仕え、下層階級出身だからこそ解る、人心の機微と持前の人情で、台所奉行、普請奉行、足軽組頭と、飛石のように段飛ばしで出世していく藤吉郎(秀吉)犬千代(前田利家)との友情。運命の女性、寧々との恋。結婚。そして今川義元の尾張侵攻。桶狭間の戦いは、信長の初戦であり極点ともいえる戦い。尾張の革命児、信長伝説はここから始まる。そして松平元信(徳川家康)との同盟。信長、秀吉、家康は、実は近しい関係。若かりし頃からの知合いでもあり、三人とも愛知県出身。凄い不思議だ。この信長と家康の同盟が、新たな歴史を刻む!2017/07/03
けろりん
36
愈々戦国三英雄のそろい踏み。小国の嗣子として生まれ、幼き日より、織田・今川の質子として忍従の青春を送り、優柔不断、魯鈍さの中に三河者の不羈の魂を隠し持つ若き日の家康。十余倍の大軍に、不惜身命の境地を君臣一体となり挑みかかる信長のカリスマ。「この君なれば」と捨て身で奉公を願い出て仕えた信長の下、命を擲って戦った桶狭間の合戦で、秀吉は将たるものの資質に感じ入る。生まれを僻まず、孝心を忘れず、現在の立場で最高の仕事を、苦境をも楽しんで乗り越える天性の朗らかさを備えた秀吉。恋女房を娶り、今後の活躍が益々楽しみだ。2020/06/07