内容説明
上田敏の薫陶を受け、詩的資質を認められ森鴎外・永井荷風の文章に親しんだ仏文学者の山内義雄。ジッド『狭き門』の名訳、マルタン=デュ=ガール『チボー家の人々』の完訳、ポール=クローデルとの親交、日仏文化交流に多大な功績を残し、芳醇流麗な筆致の翻訳で知られた著者の唯一の随筆集。「まぼろしの京都」「『ふらんす物語』の思い出」「二人の文豪」ほか五十四篇。
目次
遠くにありて思うもの
“葛飾こよみ”余話
靄のなかの味覚
音楽の好きな音痴
音楽会にのぞむもの
あまのじゃく
夢のような話
初夢
『チボー家の人々』
丸善とわたし〔ほか〕