内容説明
“人間を超えるものの認識なしにこうした歌が読めるであろうか”。式子内親王の三つの「百首歌」、少い贈答歌等への細やかな考察を通し、詩人の特性、女として人としての成長、歌境・表現の深化・醇化を“思うままの作品鑑賞”で綴る。三十一文字に自己の心と想念を添わせ、独創的な視点と豊かな感性で展開する「式子内親王」「永福門院」「いま一章、和歌について」を収録。平林たい子賞受賞。
目次
式子内親王
永福門院
いま一章、和歌について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
8
登録忘れ。学生時代ぶりの再読。式子内親王の御歌にもっと親しみたい。2023/10/01
unpyou
2
最近和歌&式子内親王ブームが来ており読んでみたのだが、国語の教科書に載ってるなかで顔の気難しそうさNo.1だったし文章も硬かった竹西寛子、やはり四十がらみになってから読んでも好きになれる文章ではなく残念。しかし最終章に挙げられた式子の以下の歌など、歌を拾い上げる目利きぶりは確かなものだと思う。 しづかなる暁ごとに見渡せばまだ深き夜の夢ぞ悲しき この歌など、「夜の夢」には現世の惑いという仏教哲学概念が重畳されており、哲学と文学技巧と夢幻の情感のミクスチュアが31文字に凝縮されている。凄いの一言。2017/12/19
鈴月
1
卒論のために昔読みまいた。本当に、好きだったなぁ。潔癖な感じの作風が好きだったのです。笑2010/01/29
そーだ
0
『新古今和歌集』の演習の授業で薦められた一冊。歌人の感性についていけず、エッセイにしてはちょっと難しい。2012/02/25
Waka
0
和歌の年間講義を担当することになり、何度か読んだこの図書をおさらいしておこうと再読。特に「永福門院」のところを読みたかったのだが、良かった(前半は読みにくい。記憶どおりだった)。嘆きの浅いものほど叫ぶ声が大きくなる……まったくです。だから私は万葉古今が嫌いだし、新古今京極派が好きなのだ。2021/02/10