講談社文芸文庫<br> 萩原朔太郎

講談社文芸文庫
萩原朔太郎

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  • サイズ 文庫判/ページ数 414p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061962064
  • NDC分類 911.52
  • Cコード C0195

内容説明

芥川の言葉“宿命は不幸にも萩原君に理智を与へた”の如く、明敏なるが故に近代の毒を満身に浴びた現代詩の創始者、萩原朔太郎のその生活と芸術を、地誌と歴史の中に融合した批評家・磯田光一の正に畢生の評伝文学。最終章は書かれずに終ったが、優に世に残すべき力篇。

目次

序章 ふたつの風景
第1章 文明開化の風土
第2章 中学にありたる日
第3章 日露の戦後
第4章 夜汽車の窓
第5章 月に吠える犬
第6章 青猫の顕現
第7章 故郷にありてゆかず
第8章 東京の憂鬱
第9章 馬込狂躁譜
第10章 氷島の周辺
第11章 悲壮なる父

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

23
悔恨と呪詛2024/01/11

しゅん

10
朔太郎が過ごした頃の群馬の天気や幼少期の学習要綱、さらには朔太郎の家系だけでなく想い人の家系まで文献に当たる実証ぶりが発揮されている。当然、詩作を実人生と繋げる方面での読みが多くなる。こうした読みは個人の人生の特権化につながるのであまり好きではないのだが、実証性の高さによって、作家の称揚と同時に特権性の解体が為されている。 家計や人間関係などに日々の足を取られるさまが生々しい。詩の分析が「竹」や「犬」のモチーフの伝統性(万葉集や古今和歌集との接続)に傾くところが、『鹿鳴館の系譜』の作者らしい特徴。2022/11/02

AR読書記録

1
詩にどのくらいの虚構化が行われているか知るために、またそれが書かれた時代の実相を知るために、大正時代の前橋のひと夏の天気を調べたり当時の小学校の学習課程を調べたり... だいたい萩原朔太郎を論じるのにまさか江戸時代真っ只中から始まろうとは...というわけで、“評論”の奥深さ(もしくはいっそ業の深さ。作品に反映されているとはいえ、プライベート極まりない話題にもここまで踏み込もうとは。)をしみじみと感じる。正直、萩原朔太郎に別に思い入れはなく読んでしまったが、やっぱり読んでよかった。やはり磯田光一。2014/10/25

euthanasia

0
「『螺旋道』の主人公が、「革命の爆弾を密造する部屋」のなかで「革命なんか詰らぬことだ」と悟り、さらに「重大な結果を人類の生活にあたへる」ために、人類絶滅の大爆発をおこして硝煙のなかで死ぬくだりについて、朔太郎は「これが本当のアナアキズムだ!」と称讃する。」(p.347)2013/02/01

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