内容説明
永仁二年銘をもつ古瀬戸最古の壷が、重要文化財に認定された。だが実は昭和の名陶工、加藤唐九郎による贋作であるとされ、当時の文部技官小山富士夫は失脚、真相は当事者の死去にともない謎につつまれた。発覚から三十年、新資料と証言を駆使してあらためて事件の真相に迫る意欲的ノンフィクション作品。
目次
第1章 「永仁銘瓶子を掘り出した」
第2章 一本だった壷が二本になった
第3章 「銘文が怪しい」
第4章 重要文化財に指定
第5章 偽物説強まる
第6章 「永仁の壷は私が作った」
第7章 本当の作者は誰か
第8章 科学鑑定はクロ
第9章 二人は「壷」と一字だけ書いた