内容説明
獄霊島―そこは世界から忘れられた瀬戸内の孤島。ふたつの旧家の澱んだ血脈が、銀山の跡目を争うとき、和歌の調べとともに、悲しき連続殺人劇の幕が上がる！呪われた遺言、謎の大量殺人鬼、そして不可解な見立て。怨念の島に隠された忌まわしい因果とは…ってそんなことよりコモが死んじゃった！！コモが犯人に負けた！？もう、べろちゅうができないなんて、そんなのいやぁっ。
著者等紹介
古野まほろ［フルノマホロ］
１１月２５日生まれ。第３５回メフィスト賞を受賞した『天帝のはしたなき果実』でデビュー。各方面から様々な注目を集めている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ヒロユキ
30
内容も感想も正に「探偵小説のためのノスタルジア」でした。タイトルがスゴくしっくりくる。調書が巻末にまとめてあったり、このシリーズは謎解きの演出が豊富でいいですね。コモのネチネチしたしつこいロジックからドＳ魂を感じる(笑)2012/05/01
藤月はな（灯れ松明の火）
20
横溝正史ばりの旧家の愛憎劇と遺産相続と見立て殺人。今回は妄想パート、事情聴取は巻末収録。妄想パートに如何に文字数を使っているかに笑うしかない。今回の敵は伯父子として憎悪され、経も突き返され、舌を噛み切り、その血で経に呪詛の言葉を書き、餓死して大魔縁と成して世に禍を齎し、足利尊氏によって予言が成就され、明治天皇が護国のために皇居へと遷したあの人。メタなあの展開は「ひぐらしのなく頃に」を思い出します。でも村上水軍やあの人、あかねの被害妄想パート（エロバージョン）で脳内のリンクが半端ないのはちょっと嫌になります2012/04/19
朝比奈さん
15
相変わらず、ユカリコモギャップ（勝手に命名）にクラクラする。時系列的には「みぎわなる～」の後。そして読者への挑戦に全く歯が立たない悔しさったらないんぞなもし。ぞなもし、癖になりますね。ぞなもし。2013/03/18
ほたる
10
孤島、そして旧家の血脈。なんともミステリらしい設定で連続殺人を解いた先にあるのもまた非常にミステリ的。相変わらず犯人を特定するための前提条件の整理が丁寧、かつそこから展開される推理もまた論理が一つずつ緻密に積み上げられていた。2023/11/18
むつぞー
8
「シラバス」という形で推理のポイントをリストにしてくれる親切設計。親切設計といえば、あの妄想シーンが巻末にまとめられて読みやすさという点では評価したいです。ただ供述調書は巻末でない方がよかったかな。単調になりがちだけど、この中でならこの方がわかりやすいので「あり」だと思います。ただ巻末をあけるのは度胸がいるのよ～。2009/07/15
