手塚治虫漫画全集 〈264〉 空気の底

手塚治虫漫画全集 〈264〉 空気の底

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  • サイズ コミック判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784061732643
  • NDC分類 726.1

出版社内容情報

【内容紹介】
空気の底でうごめく、ちっぽけな人間たちの世界。息がつまるような日々の暮らしの中で、若者たちの満たされぬ愛と、やり場のない怒りが、しだいに人々を狂気へと駆り立てていく……。異色の短編集、ここに登場!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

14
世界の人の醜さ、情念や業が澱みとなって沈殿したところに起きる奇縁に満ちた物語が集められた良作短編集。他社の同名書と比べ傑作選ではなく同じ雑誌で連載されていたものを集めたもので、編集が凝っているというわけではないが、それでもこれだけ高密度な短編ばかり。まあ、中には「そこに穴があった」みたいにいまいちオチが弱いというか唐突に感じる話もあるが、平均的な質が圧倒的なためにそう感じたのかもしれない。表題作や「グランドメサの決闘」などが好みで、表紙の「ロバンナよ」も多義的な解釈を許しながら変態性癖っぽさもありよかった2015/10/04

赤字

5
図。手塚治虫が凄いのは描いた漫画の幅の広さ。アトムやBJを描いてた人がこんなに濃厚な短編集もあるなんて信じられないよ。一編ずつにドラマがあって、説教臭くもなく、単純に面白い。これだけの短編が集まると濃厚過ぎて一読では咀嚼しきれないや。「野郎と断崖」「うろこが崎」「夜の声」「猫の血」「カタストロフィ・イン・ザ・ダーク」が好きだった。2012/06/26

けにー

3
どんでん返しから突然終わる救いの無い話しが殆どで何か諦めのようなものを個人的には感じる。手塚治虫の様に長くに渡って悶え苦しみながら創作しているとそういう時期も有るのかも。2015/11/14

えふのらん

2
かなりジャンル越境を意識した短編集。黒人から輸血を受けて人種主義を乗り越えた白人が”業”に殺される「ジョーを助けた男」、感動的な子どもの救出劇が環境問題+変身によってあらぬ方向に飛んでいく「うろこが岬」、わが谷は未知なりきは明らかにジョンフォードの変奏だが、舞台の谷は流刑地で近親相姦で存続しているなど設定がかなり際どい。どれも意図的に定番から着地点をずらしていて、そこそこ意地が悪かった。まぁそんな悪意が面白いのだけれど。2024/03/09

スローリーダー

2
〈異次元ミステリー〉というフレーズが思い浮かんだ。14のショートストーリー。話の共通項は、一言でいえば《隔絶》された《苛酷》な環境で周囲の《無理解》の中で《予想外》の《悲運》に見舞われる、というもの。全体的に救いがなく、陰鬱だ。人間の業(ごう)の虚しさを突きつけられた感じだ。2023/05/04

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