講談社学術文庫
平家物語―無常を聴く

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  • サイズ 文庫判/ページ数 429p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061595606
  • NDC分類 913.434
  • Cコード C0195

内容説明

驕れる平家、その専横の犠牲者・成親と俊寛。清盛なきあとの平家を京から追う義仲、壇の浦に沈める義経。騒乱の巻き添えとなった多くの者、そして生き残った平家の人々。すべては「無常」の中に流れてゆく。平家一門の興隆から滅亡までを描いた不朽の古典を精読し、ゆれて定まらぬもの、常ならざるものと向きあった珠玉のエッセイ。第23回大仏次郎賞受賞作。

目次

祇園精舎
殿上闇討・すがめの瓶子唐瓶子
鱸・海と平氏の因縁
吾身栄花・六波羅と桜町
祇王・本地垂迹
二代后・世の乱れ
清水寺炎上・音と火
殿下乗合・はだれ雪
鹿谷・戯言と歌占
鵜川軍・白妙〔ほか〕

著者等紹介

杉本秀太郎[スギモトヒデタロウ]
1931年生まれ。京都大学文学部仏文科卒業。国際日本文化研究センター名誉教授。日本芸術院会員。フランス文学にとどまらず、日本文化、日本の古典を扱った著作も多い。『伊東静雄』『徒然草』(読売文学賞)『花ごよみ』『平家物語』(大仏次郎賞)、訳書にフロマンタン『昔の巨匠たち』ボードレール『悪の花』A・フランス『赤い百合』など多数
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感想・レビュー

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noémi

12
難しい本だった、エッセイだったのに。読むのも本当に時間がかかった。作者によれば「平家物語」とは「教養ある人が教養ある人に向かって聞かせていたもの」だから、「和漢朗詠集」「白氏文集」あるいは「古今集」などの本歌取りのような、しかも和漢混合の綺羅を纏った文が多いため、無教養の私は大変苦しかった。しかし、筆者は艶っぽい仏文学が専門の学者ゆえ、平家が都落ちしてのち合戦の場面になると、何か文章の温度が急に冷めて、苦々しげに殺生をすることの愚かさを語る。平家を読むと、人外のものが及ぼす「運命の力」を感じてしまう。2012/10/30

chisarunn

8
いやー、もうしんどかった。どこを開いても字がびっしり埋まってる本なんだもん。って当たり前か。「平家物語」の解説本なのだが、そりゃもう面白いの。面白いんだけど、進まない!「『平家』は場面に事寄せて読む者の教養知識をくすぐり、興味を繋ぐ巧みな技法を用いること一再にとどまらない」と著者は書いておられるが、あんたも同じやないかい!ちょっと読んでは本家「平家」をパラパラめくり、ちょっと読んでは日本史事典をめくり…「木曾最期」あたりへくるともう「君の名残を」を思い出しちゃって読んでられない。ナナメ読みしましたゴメン。2022/05/20

masi

3
この本を買おうか本屋で迷っている時に、知らないおじさんに「古典は楽しいよね」と声をかけられた。当時、大河ドラマが平清盛だった事で読もうと思った本。本文と訳文の両方を読むのは大変だったけど、解説もありとても面白かった。約800年前の文学に触れることで、今を生きる現代人に過去にあったことを想像させてくれる有意義な本でもありました。2014/03/05

出口求

2
副読本にしたほうがいいです。これで「平家物語」のストーリーを把握するのは非常に難しいと思われます。 「平家物語」の場面をピックアップし、歴史的な真偽や成立年代によるものの見方、物語の進め方の上手さなどが筆者によって語られます。なるほどと理解が深まる部分もあれば、個人的には納得できないというものまでさまざまです。 もっと「平家物語」を知りたい方にお勧めします。2022/02/26

ひでっち

2
原文を読んでからの方がよかったかも。平家物語のストーリーは大体わかっているつもりでしたが、この本にはあらすじが書いてあるわけではありませんので。義経お得意の大松明、・・・のくだりがおもしろかったです。私も義経に好意は持てませんでした。2012/09/01

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