内容説明
道元禅師の思想と信仰は、『正法眼蔵』と双璧をなす『永平広録』にもっとも鮮明に、かつ凝縮した形で伝えられている。本書は、その『広録』10巻の中から抄出された『語録』を訳注したもので、興聖寺と永平寺における「上堂語」や「小参」「法語」をはじめ、中国禅とは異なる禅師の宗風の独自性を示す「普勧坐禅儀」や「坐禅箴」などが収録されている。比類ない道元禅の要諦を窺うに最適の訳注書である。
目次
1 元禅師が初めて本京宇治県興聖禅寺に住する語録
2 開闢の次、越州吉祥山永平寺に住する語録
3 小参
4 法語
5 普勧坐禅儀
6 坐禅箴
7 自賛
8 偈頌
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禿童子
11
読んだというのはいかにもおこがましいが、睡眠薬がわりに枕頭に常置してどうにか最後まで通して見たというに過ぎない。付録の『普勧坐禅儀』が明快なのが救い。ただ、「上堂」「小参」は大衆(修行僧)を前にしたスピーチ、「法語」は自ら文章を記したものという違いぐらいはわかる。「公案」が話の中でも引用されるが、道元自らが「自分ならこう答える」と答えて、それを大衆に「参究せよ」と話して終わる。「瞿曇の老賊魔魅に入り、人天を悩乱して了る時没し」は反語的ユーモア。「釈迦が悪魔に魅せられ云々」とは、弟子たちは困ったろうな。2017/06/22
ミー子
4
鎌倉時代から室町時代ごろ?に編纂された、道元禅師の語録の、漢文・読み下し文・現代語訳が掲載されている。私は現代語訳だけを読んだ。 仏教の教理や道元禅師(曹洞宗)の教えについて、一定の知識がなければ、難解かもしれない。深く読める力がある人にとっては、とても素晴らしい内容だと思う。 最近私は上座仏教本を多く読んでいるが、日本仏教もやっぱり素晴らしい。特に、道元禅師(曹洞宗)は、原始仏教の思想や哲学をきちんと残していると思う。2017/06/07
Kuliyama
1
調べたい言葉があって手にしました。全文とその意味が分かりました。2020/12/15
熊騒動
0
道元禅師のスピリットが飛沫する!「普勧坐禅儀」禅師によるいい座り方の解説つき。2013/05/14