出版社内容情報
【内容紹介】
本書は、東宮大夫兼侍従長として皇太子傅育の役、最高裁判事等を閲歴した著者が、子弟教育を目的として新訳した極めて独創的な「家庭論語」である。著者は『論語』を孔子一代記と見、論語の説く人生訓・処世術を過去の道徳とせず、現代の活教訓として1つ1つの主題に、実生活や時事問題を絡ませ、時に余興的雑談を織り交ぜながら面白く語っているため、道学者流の匂いがなく、素直に現代人の心に受け入れられる魂の書となっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井上裕紀男
16
論語を読むのが3冊目になりますが、解釈とあとがき、宇野精一氏の解説により、ようやく自分の中で消化していけます。「家庭で分かりやすく伝えてこそ」という著者の思いが有難い。 できれば四書五経全てを訳して欲しかったけれども、著者は渋沢栄一氏の孫なのでやはり論語。戦争で資料が焼かれたにも関わらず、少ない文献でこれだけ書かれる所がすごい。 これで論語本探しも終了、色々悩んだら読み返し、ボロボロになるまで持っていたい。2021/03/07
かんたろう
4
40歳を過ぎて無性に論語が読みたくなりこの本を手にとってみた。論語の読み下し文と訳文、解説がセットになっており非常に読みやすい。筆者は論語の専門家ではないため訳文や解説も平易な言葉で書かれており、中には筆者の個人的な経験なども交えて解説されているところなどもあり親しみが持てる。とにかく論語の全文を読んでみようという人にお勧めの入門書である。執筆されたのが戦後直後であるため文章の節々に当時の世相が反映されているのを読むのも面白い。 2010/10/01
くらぴい
2
著者は戦後間もない頃昭和天皇の侍従を務められた穂積氏、皇室を貫く論語の心と、優しい家庭の間でのやりとり、教えを語る本です。とても充実した読み応えでした。 2007/07/07
お気楽になりたいお気楽さん
1
全四九六章を一日一章ずつ読む。「子張第十九」が面白かった。また、巻末の宇野精一さんの「解説」で紹介されている渋沢栄一さんのエピソードが参考になった。本の構成にもう一工夫があれば良かったかな?☆☆☆2023/09/22