内容説明
民族紛争、人種差別から「公然の虐待」まで、あらゆるレベルの人間関係の紛争や対立をどう解決するか。世界中でワークを実践している著者の衝撃的な主著。
目次
第1章 炎―自由の代価
第2章 集団―試練を与える教師
第3章 ランク―ダブルシグナル
第4章 人間関係における力と偏見
第5章 復讐と文化変容
第6章 テロリストと向き合う
第7章 虐待のワーク
第8章 公然の虐待と自分の声を見出すこと
第9章 長老のメタスキル
第10章 自覚という革命
著者等紹介
ミンデル,アーノルド[ミンデル,アーノルド][Mindell,Arnold]
1940年生まれ。マサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了(理論物理学)、ユニオン大学院ph.D(臨床心理学)。プロセス指向心理学の創始者。ユング派分析家
永沢哲[ナガサワテツ]
1957年生まれ。東京大学法学部卒
青木聡[アオキアキラ]
1968年生まれ。上智大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程満期退学。大正大学専任講師。臨床心理士。ミンデルに師事
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感想・レビュー
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riviere(りびえーる)
6
著者はユング心理学に老荘思想を加味しプロセス指向心理学を構築した人。「紛争」を解決に導くワールドワークという手法について述べています。過激でついてゆけない部分もありますが、異なる視点からの指摘にはハッとします。著者のテロリストの定義では「私の要求に答えないなら出ていくわ」と言う人もテロリスト。政治的紛争も家庭の問題も根本は同じ。問題解決のため新しいことを始める必要はなく、すでに起きていることに気づけばよい。自然はものごとを解決するやり方をすでに内に持っている。長老のように考え振る舞おうと述べています。2014/08/03
ERIKOF
4
ブロセスワークが気になり手にした本。ただミンデルさんの本はどれもスピリチュアル要素が強く本当に理解するのは難しいと感じるのですが、この本には、最近気になっている『マジョリティの特権』に関する記載が数多くあり、納得することが沢山あった。ただ2001年に初版が出ていることを考えると、なぜこの考え方がもっと広く浸透しないのかなーとも感じた。2024/03/30
Iwata Kentaro
3
再読。いつ買っていつ読んだかも覚えてない。なぜ読んだかも覚えてない。とにかく読み直したが、あれこれ詰め込みすぎて脳が超肥大化した妄想、という印象が強い。個別のエピソードは一般化をもたらさない(もたらすとは限らない)とも。ファンには怒られそうだが。2023/08/10
ゆーや
3
2020年30冊目。「争いで平和を築くのである」、この言葉が強烈に響く内容だった。それぞれが抱える怖れ・怒り・偏見のような感情をあえて表面化させ、一時的対立を促す。表面化した対立は、コミュニティの構成員に様々な「自覚」をもたらす。これが表面的な改善ではない深い前進の鍵を握る。原題は「Sitting in the Fire」。くすぶっている火種に薪をくべ、火を消したいという本能に抗い、燃え盛る炎のなかに留まる意志が求められる。生半可な覚悟では実行できないように感じるが、今の時代強く求められる内容だと感じた。2020/08/10
doni
3
プロセスワークという概念。心理学の枠を跳び越えて、偏見、差別、格差が渦巻く様々な集団に適応させた凄さ。正しさ。ランクという考え方。あらゆる大小・角度の対人関係における本質だと思う。ここ数か月で読んだ中で金閣寺と並んで間違いなく一番。2012/06/13