講談社現代新書<br> 新しい福沢諭吉

講談社現代新書
新しい福沢諭吉

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  • サイズ 新書判/ページ数 262p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061493827
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0223

内容説明

近代日本の先覚者とされながら毀誉褒貶半ばする思想家の本質とは。「文明」「独立」等をめぐる言説を読み解き、日本思想史に新たな枠組を提示する。

目次

1 「独立」と「情愛」
2 「徳義」と「文明」
3 「政治」と「財産」
4 「惑溺」と「自由」
5 「立国」と「偏頗心」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

日の光と暁の藍

2
ともすれば、矛盾していると感じるような主張だったり、反対のことを述べているのでは?と感じられることの多い福沢諭吉。そんな誤解を今までされてきた福沢諭吉の言説。著者なりの理解を踏まえた上で福沢の本当に言いたかったことを非常に分かりやすく伝えてくれる本。ですます調で本文が書かれており、非常に読みやすかった。誤解されがちな部分や矛盾を感じるであろう点を著者の解釈を交えながら論じられる数々。文明とは何か。日本が文明を進めるその真の意味とは何か。偉大な思想家の謎を解き明かすようで、読んでいて非常に面白かった。2023/12/17

バルジ

2
福沢の思想を批判でもなく礼賛でもない客観的な視点から捉え直した一冊。 経済思想から文明観まで主だった論点を網羅している。 個人的に印象深いのが、ややもすると軽薄にも近い議論を展開していた対外論が、その深刻な現状認識によって動かされていたという点だった。「日本が西洋から軽侮されない」ための富国強兵、ひいては対清論というのは深い思考を持つ福沢にしてはやや薄い感を受ける。しかしこうした議論を当時の文脈で捉え直すことは、一人の偉大な思想家の内面を現在、そして未来へと活かすのに必要不可欠なのだろう。2019/01/14

ハンギ

0
名著。明治時代を主導した思想家である福沢諭吉を現在の理解されていない風潮に抗して、新しくかつ福沢に即して書き上げたもの。引き合いに出てくる思想家も多く、そのラインナップも参考になる。スミス、カール・ポランニー、シュムペーター、マルクス主義講座派、ハイエクなどが彩を加えている。主に着目しているのは福沢の文明観とそれに対しての独立であるだろう。また福沢は状況思想家と呼ばれていることからも、決して矛盾したものではなく、その状況ごとに適応しようとした思想家だったらしい。福沢の社会理論などにも着目して良い。2011/03/27

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