講談社現代新書<br> 墓と葬送の社会史

講談社現代新書
墓と葬送の社会史

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  • サイズ 新書判/ページ数 268p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061491526
  • NDC分類 385.6
  • Cコード C0239

内容説明

村はずれに捨てられ、粉砕された死体・遺骨。それが納骨・墓詣りの習俗へと変化したのはなぜか。租先の祭祀の象徴であった墓が、その存在自体を拒否されつつある現代的側面も含め、死者管理の歴史展開を眺望する。

目次

第1章 市民社会と墓地
第2章 墓地空間
第3章 さまざまな墓制―墓と墓地の民俗
第4章 国家による「死」の管理―明治政府の墓地政策
第5章 租先祭祀と墳墓
第6章 家族の変動と現代の墓制

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

misui

10
たとえば現在主流の「家墓」にしても祭祀の継承者を前提とし家族は連続すべきものであるというイデオロギーを映しているわけで、それはマクロに国家の問題に繋がってくる。今日伝統的とされる墓制もさほど古いものではなく、特に明治の国家神道の確立によるものということ。足早の読書になったが墓はその社会に規定されているのが様々な形態で示されるのは興味深かった。2016/04/12

東雲

6
主に日本の葬制について、時にヨーロッパと比較しながら語る。土葬と火葬、埋葬法や墓の形態、家制度と祖霊祭祀、また墓地に関する法律にも言及している。タイトルに社会史とあるように民俗学と言うよりは法制、新書と言うよりは研究書の側面が強い。私自身はヨーロッパの葬制についての関心が強いため、日本における火葬の普及や公園墓地の形態など西洋からの影響に興味関心を抱いた。土地不足のような社会的要因、伝染病の発生に関わる衛生的要因、また国学思想などの宗教的要因が複雑に絡み合い、一筋縄ではいかないところが面白い。2015/06/26

Yosuke Nishimoto

1
縁起でもないと言われるかもしれないが、誰もが真剣に考えるべき課題だ。昔ながらの「家」という考え方が崩壊した今日、家と一体であった墓についても見直す時期が来ている。しかし、農耕を中心とし、狭い村社会で通用してきた世間の縛りから逃れられないのが現実だ。さあ、どうするか。歴史的事実を学び、考え方を整理したいものだ。2017/06/26

579_UHJMqshYx2

0
どちらかと言うと法制的側面からの記述が多くて、興味深い内容が出てきても前述した法の…とか、国家からの制限が…とかに行っちゃって、面白くなる内容を著者自ら転ばせてる感じ。 どうも教科書的というか、まあもともと姉が短大で教科書に使ってたらしい本だけど、内容には興味を引く本が家にあるので読んだ、と言うのが自分には正しいのだけど。 書かれて二十年から過ぎてるので、新しい解釈なんかも出てるのかな。絶対に面白く出来る内容だし、それが出来る先生だと思うのですが。2014/07/28

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