京都に原爆を投下せよ―ウォーナー伝説の真実

京都に原爆を投下せよ―ウォーナー伝説の真実

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048210492
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0021

内容説明

第2次大戦下、100万都市京都が「無傷」でのこった。それは文化財ゆたかな古都だから(ウォーナー伝説)ではない。それどころか―投下第1目標は京都だった。「原爆」と「ジェノサイド爆撃」の間で翻弄された京都。「平穏な京都」の裏でたたかわされたアメリカの軍・政府内の葛藤を活写する。

目次

第1章 ウォーナー博士は古都を救った恩人か?
第2章 京都に原爆を投下せよ!
第3章 京都の運命
終章 『ウォーナー伝説』を創作したのはだれか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

83
文化都市 京都が爆撃を免れた理由を 追う作品である。ウォーナー博士は本当に京都を救った恩人なのか? 本書によれば、ウォーナー伝説は事実無根であり、京都は原爆投下目標都市になっていたために、他の爆撃が禁止されていたと 説く。 原爆投下の影で蠢く思惑が いかにも政治的で 興味深い…何が真実なのかは 闇の中だが、 日本文化が焼失しなかった結果には 感謝したい。2023/07/07

coolflat

15
京都が原爆投下や爆撃を免れたのは米国による文化財保護政策のおかげであるという定説を覆している。まず文化財保護、いわゆるウォーナーリストの事だが、これは文化財を護るために爆撃を控えるといった代物ではなく、日本やドイツが侵略国から略奪した文化財を返還するためのリストだった。また京都が爆撃を免れたのは原爆投下都市に設定されたからで、なぜなら原爆の威力だけを純粋に調べるために、空襲被害を受けていない大都市が必要だったからだ。結果的に京都に原爆は落とされなかったが、日本がポツダム宣言を受諾しなければ落とされていた。2015/07/11

MiNo

7
京都に生まれた私は「京都に空襲がなかったのは文化財破壊を避けてくれたから」と聞いて育った。だからこのタイトルを見てびっくりした。内容はまさにこのタイトルの通りで、京都が投下目標になった経緯と回避されたいきさつが書かれる。選定理由、準備ともあまりに淡々としていて、人が相手だと言うことは考慮にないような進め方に感じる。人が死ぬこともひとつの効果測定で。戦争だけじゃなくても、あまりにマクロの視点が過ぎるとミクロの事象を無視しがちになってしまう。国と国っていう大局って、ときに大事なことを忘れさせる。2014/10/04

うめけろ

4
第二次世界大戦はもうすでにかなり昔になってしまい、その頃の真実を探ることはどんどん難しくなってきているんですねぇ。不勉強な僕は、京都がほとんど空爆を受けなかった事実も、そこに恩人と呼ばれるウォーナー博士なるアメリカ人がいたことも、第三の原爆の計画があったことも知りませんでしたが、読んでみると、教科書に載せてもいい内容では、と思いました。つまり、日本人として知っておくべきかと。2013/08/06

おぎゃ

2
めちゃめちゃ面白い。 「太平洋戦争中、米軍は文化財保護のために京都や奈良を空襲しなかった」という言い伝えの嘘を暴く研究をまとめた本。2018/03/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/53342
  • ご注意事項