内容説明
20世紀最大のスパイ・ゾルゲ、その独ソ開戦、日本の対応などの報告は、比類なく正確であった。なぜ、スターリンは、ゾルゲの報告を無視したのか。ドイツ、ソ連の2つの祖国をもつゾルゲ、彼の悲劇はまた、愛するソ連の悲劇であった。
目次
「国際スパイ・ゾルゲ」の制作にあたって
第1章 スパイ・ゾルゲの誕生(ゾルゲの生い立ち;コミュニスト・ゾルゲ誕生;上海から日本へ)
第2章 日本情報を送れ(日本入国;ゾルゲ諜報綱組織さる;日本の台頭;戦争前夜)
第3章 日本の対ソ戦略を探れ(モスクワからの諜報指令;動き出したゾルゲ諜報網;盗まれていた御前会議の決定;日本、ソ連を攻撃せず;ゾルゲグループ逮捕さる)
解説(ゾルゲが報告した人々;ゾルゲと尾崎のはざま;歴史のなかのゾルゲ事件)
感想・レビュー
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kitten
6
嫁の蔵書から。ドイツがソ連に攻め込んだ際に、「日本は南方にしか興味ないから、関東軍は動かない」という情報をソ連に送った。この情報により、ソ連は極東からドイツ戦線に軍を送ることができて、それが対独戦勝利のカギの一つとなった。ある意味で救国の英雄であるスパイゾルゲの話。ドイツ人の父とロシア人の母をもち、ナチに(偽装)入党して日本のドイツ大使館に入り込む。日本でも政権に近いところに情報源があり、御前会議の情報までつかめていた。もともとコミンテルン関係者なので、スターリンに見殺しにされた。2022/01/19