内容説明
戦国大名は、領国支配体制の確立とその軍事目的から、多岐の分野にわたる職人たちを掌握し、組織してきた。本書はそれら職人集団の活動様態をさまざまな角度から解明しようとする論考の集成である。
目次
戦国時代の職人をめぐる問題
後北条氏と職人(後北条氏の職人支配;後北条氏の炭焼司と鍛冶職人;鶴岡八幡宮の大工;陳外部宇野家と北条氏綱)
北関東の権力と職人(中世常陸における「職人」の存在形態;関東田代氏の歴史的位置)
東海地方の非農耕民(遠江国「橋本」と職人;戦国大名今川氏と職人;曹洞禅僧の活動と非農業民)
町と村と職人(中世後期の畿内都市の職人;村の当知行)
統一権力と職人(秀吉の出自と職人集団;江戸職人町と形成と変貌;外郎売考)
故杉山博先生の学問とその系譜