内容説明
原発性肺高血圧症という難病に冒され、心肺同時移植手術を受けたクレアは、手術後、自分の中に別の誰かが存在していると感じ始めた。食べ物の好みや性格にも変化があらわれ、不思議な夢を見るようになる。一体自分に何が起こっているのか、答えを求めてクレアの旅が始まる。脳死の定義に大きな疑問符を投じる衝撃のノンフィクション。
目次
かくも深き吐息
第一ポジション
悪い知らせ
執行猶予
苦難の日々
レインボウ・コネクション
わたしの知らぬ間に
ハンプティ・ダンプティ
ステイン・アライヴ
ロボ・クレア〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
23
細胞記憶はミツバチの集団を数年にかけて世話した時、確信した存在だ。潜在的に私たちが共有する恐怖や嗜好にも関係しているかもしれない。先日、幼少時代に事故で人差し指を失った男性の子どもたちの人差し指が父親と同じ長さである、という奇妙な画像を見たが、本当だとしたらこれもある種の細胞記憶なのだろうか。体は、私たちが思っているよりもユニークで、複雑な叡智を隠し持っている。まだ説明がつかなくても、それは事実なのだ。面白かった。クレアさんの闘志は、また違う次元でも続いているのではないだろうか。2018/12/11
宮田悦子
3
心臓移植を受けた患者がドナーの性格まで受け継いだという驚くべき体験。 しかし臓器移植を受けた患者は少なからずこのような症状があるという。 科学万能の西洋医学の世界では否定されているようですが｢あり得ない｣ではかたずけられないと思います。 臓器移植手術、脳死を人の死と認める事には、意見は様々に分かれますが、そうした問題を考える上でも参考になる作品だと思います。2015/11/08
さつき
3
凄く興味深い。臓器一つ一つが、単なるパーツだと言うには不思議な事が多い。記憶する遺伝子が有る事に驚いた。本当に、何処までが１人の人間なのか、生きているうちに判明してくれれば良いのに！凄く気になる…！2012/12/01
つっきー
2
サッカーマンガ「エリアの騎士」でこの本の存在を知り興味を持ったので読んでみました。どういう仕組みでどうなってるのかは分からないけどなんかすごいなと思いました。自分自身もドナー登録をして将来誰かに影響を与えてみるのもおもしろいかな。何がきっかけでもいいのでドナー登録者が増えれば助かる命が増えるのだろうな2015/09/07
セシリー
2
1998年初版の本。先日6歳未満の子の国内初の臓器提供のニュースを知り、この本の事を思い出して読んでみた。子どもの頃、友達が心は脳にあるのか心臓にあるのかという議論をしていて、私は脳に決まっていると答えた覚えがあるが、この本を読みそれは違うのかもしれないと思った。以前はドナーカードを持っていたが今は持っておらず、最近は免許証の裏に臓器提供の意思表示欄が入るようになったものの未記入のままだ。ドナーの家族とレシピエントの交流が禁じられているが、両者が希望した場合は許可できないのだろうかとも思った。2012/06/18
