• ポイントキャンペーン

角川叢書
平清盛の闘い―幻の中世国家

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047021143
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0321

内容説明

時代は、まさに貴族政権と武士政権に分裂しようとする前夜、十二世紀後半。この混迷する変革期に、政治家・平清盛は、従来の院政を否定し、天皇を擁立して遷都を行ない、新たな政治秩序の確立に向かって渾身の力を振りしぼる。貴族社会の真っ只中にあって、王権の本質に果敢に挑戦したその生涯は、彼の突然の死によって誹謗だけが喧伝される結果となった。中世前期政治史を研究する著者が、清盛を、変革期を迎えた貴族社会の一員として捉え直し、その行動と政権の特質を通して政治家清盛の実像を描き出す意欲作。

目次

第1章 王権下の清盛
第2章 後白河院との対峙
第3章 王権への挑戦
第4章 新王朝の樹立
第5章 遷都と還都
第6章 最後の戦い猛き者清盛
終章 平氏の滅亡

著者等紹介

元木泰雄[モトキヤスオ]
昭和29年(1954)、兵庫県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程指導認定退学。中世前期政治史専攻。現在、京都大学総合人間学部助教授。京都大学博士(文学)。著書に『院政期政治史研究』(思文閣出版)『武士の成立』(吉川弘文館)人物叢書『藤原忠実』(吉川弘文館)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

24
平清盛に注目し、さらに彼の権力の頂点(1179年)から亡くなるまでの期間を主な考察の対象として書いた一冊。平家物語で悪行とされたことの「なぜ」について当時の状況や文献から考察がされており、興味深かった。宮廷内の権力闘争が武士を動員した紛争にまで発展すると朝廷の行政力は著しく低下し、清盛の最盛期には行政機能は左京の一部しか残っておらず、能吏も度重なる紛争でいなくなっていた(だから平氏が地方統治で活躍したのかもしれない)。清盛はこの状況を解決するために壮大な計画を組むのですが理解が得られず状況は悪くなります。2022/06/10

めめ

1
栄華を誇ったとされる平家が清盛没後あっさりと一族滅亡に追い込まれる、その理由がこれを読んで理解出来たように思う。清盛に果たして栄華の絶頂期などあったのだろうか?治承三年の政変で後白河院を排除し、翌年の安徳帝即位で清盛が政治上の実権を完全に掌握したかのように見えるが、実際それはかなり危うい基盤の上にあったとされ、しかもこの1年後に清盛は急死。数々の革新的な構想を実行に移そうとしながらも、周囲には(息子達にも)理解されず志半ばで倒れた。頼朝らの蜂起以上にその事がさぞ無念であっただろうと思わされる読後感だった。2012/06/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/260768
  • ご注意事項