内容説明
乞丐相―民俗学者の折口信夫博士は自らの鼻梁にある青インキの染みの如き痣をそう呼んだ。それはロールシャッハテストの如く、見る者の闇を映し出した。正史と偽史の隙間に浮かんでは消えるあってはならない物語を、仮面の古書店主・木島平八郎が“仕分け”する。『八つ墓村』のモデルになった津山三十人殺し事件。心中ブームと人間避雷針。迷い子塔と優生政策。昭和初期の世相を記録した『木島日記』から、あってはならない物語が平成の世に浮かび上がる…。超民俗学伝奇小説の傑作。
著者等紹介
大塚英志[オオツカエイジ]
1958年、東京都生まれ。批評価、編集者、作家、まんが原作者
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感想・レビュー
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はらぺこ
54
『木島日記』の第2弾。 前作を読んでから結構間が空いたので雰囲気か内容かよう分からんけど何か前作の方が好きやった気がする。美蘭と土玉氏がオモロかったから嫌いって訳じゃない。紙袋姿の3人を想像すると滑稽やったし(笑) キャラクターファイルに書かれてる事は誰かに言いたくなる内容が多くて良かった。 あとがきには第3弾の構想もあるようなので早く読んでみたい。 2012/08/03
橘
8
戦争に突き進む物語世界は1巻より暗く重苦しい。3巻を読むのが楽しみです。2020/07/18
眠る山猫屋
8
あってはならない物語第二弾。さらりと語られる戦前史には、誰がコントロールしてるとも知れない(というか、施行者のいない)悪意が潜んでいて、空恐ろしい。 まぁコメディともとれるタッチで進むから、救われもするのですが。前作よりさらに荒唐無稽(笑)グロテスクであり、ファンタジーでありました。嫌いじゃないけどさ。2010/12/03
小雀✡ずーっと積読減強化月……
7
前作より更に夢と妄想と現実が入り乱れる展開に。主役のハズの木島氏の出番少な目w お気に入りの根津君のお喋りにホクホク♡ 折口先生の被害妄想炸裂に腹筋崩壊。 次巻の文庫落ちはだいぶ先になりそうですが楽しみにしています。2018/03/12
あっきー
4
✴2 続編は初巻以上のトンデモな新設定は無く、話の破壊力は今ひとつでした2017/07/02