角川文庫<br> 空と山のあいだ―岩木山遭難・大館鳳鳴高生の五日間

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角川文庫
空と山のあいだ―岩木山遭難・大館鳳鳴高生の五日間

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  • サイズ 文庫判/ページ数 200p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043689019
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

昭和三十九年一月、青森県の岩木山で秋田県大館鳳鳴高校の山岳部員五人が遭難、四人が死亡する事故が起きた。連日の大がかりな捜索にもかかわらず、五人の行方はわからない。岩木山は津軽富士といわれる霊峰だが、標高わずか一六二五メートルの単独峰だ。一体、五人に何が起きていたのか…。ただ一人の生還者の証言をもとに、地元の関係者、捜索隊、警察などの状況を丹念に取材。猛吹雪のなかをさまよいながらも、最後までお互いをかばい合う五人の生と死の軌跡を描き出す、感動のノンフィクション。第八回開高健賞受賞作。

目次

第1章 北門鎮護
第2章 山頂のメモ
第3章 足跡を追え
第4章 奇跡の生還
第5章 最後の歌

著者等紹介

田沢拓也[タザワタクヤ]
1952年、青森県生まれ。早稲田大学法学部・第一文学部卒業。出版社勤務を経て、ノンフィクション作家。『ムスリム・ニッポン』(小学館・第四回21世紀国際ノンフィクション大賞優秀賞)などの著書がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

goro@80.7

49
昭和39年1月、青森県岩木山で遭難した高校生達。なぜ遭難してしまったのか、どうして捜索が難航してしまったのかを追ったノンフィクション。津軽富士と呼ばれる美しい独立峰。1620メートルなのに…たらればは空しい言葉。人の身に起きる事は自分の身にも起きる事。その場、その時になってどんな判断をするのか生死を分ける決断だな。2018/06/06

ふたば@気合いは、心を込めて準備中

6
同じ山でも、夏と冬では全く様相が異なる。当然、ルートも装備も、技術も異なる。どんなに身近に感じている山でも、なめてかかってはいけない。彼らは、学校にも、家族にも詳細を語らず、独断でことを決してしまった。言えば誰からも止められたであろうから。それでも、この日ここまでの気象条件でなければ、彼らは何事もなく戻ってきたはずだ。しかし、有事は突然訪れる。それが最悪の形になって表れたのだろう。雪山に何の抵抗もできずに力尽きて行く時、彼らは何か思っていたのだろうか。錯乱する意識はもはや何も考えさせなかったのだろうか。2018/01/06

sasha

5
津軽富士と呼ばれ、地元で親しまれている岩木山。難しい山ではなかったのに、昭和39年1月、高校生5人が遭難し、4人が死亡するという痛ましい事故が発生する。唯一の生存者、捜索に当たった山岳会の人々に取材し、事実を淡々と綴ったノンフィクション。判断ミスも、準備不足も、知識不足も、装備の不足も確かにあった。それでも生死の境を彷徨いながらやっとのことで捜索隊に発見された生徒に向かって「学校は登山を許可していないと言え」と言う教師って…。お互いをかばい合いながら麓を目指してであろう5人の心情を思うと切ない。2014/07/06

タカボー

4
これは普通の高校生の遭難。準備不足とか幼さも目につく。でも貴重な資料だと思う。山岳ノンフィクション好きなんだけど、絶版になって読めなくなってしまうのが寂しいなぁ。ヤマケイ文庫とかでまとめて復刊してほしい。2019/02/02

うたまる

3
「でも、この日の朝も、私にはまだ遭難しているという気持ちはありませんでした。とにかく最後は単純に下に下りさえすればよいと思っていました」……昭和39年の岩木山で5名の高校生が遭難した事故のノンフィクション。高度1600m程度、地元、単独峰、何度も登った山。若者ならずとも、誰もが甘く見積もってしまうような山。それでも、というか、それだから事故は起こる。実際のところ、吹雪が激しくなった時も道に迷った時も、彼らに危機感は感じられなかった。ひょっとすると体力が奪われていった死の直前さえ、そうだったのかもしれない。2017/01/31

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